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その7


「これは、ちっとは信用してもらえた、ってことなのかねえ…」
審神者…いや、大将が離れのほうへ歩いていくのを見ながら俺達はポツリと言葉を洩らした。
「うーん…よく分からないけど一歩前進、はしたのかな?」
演練のためとはいえ話しかけてもらえた。それに主と呼ぶことを認めてもらったんだ。
これで少しは溝も埋まった、はず…
溝が埋まったと決して言い切ることが出来ないが、まあ随分とマシにはなっただろう。
「とりあえずこのことは皆に伝えておかないとね」
「そうだな」
一兄も随分と気にしてるようだったし、一歩前進出来たって事ぐらいちゃんと報告しとかねーとな。気にしすぎて倒られたりでもしたら困る。

「僕達の独断で手伝うっていうことを決めちゃったんだけど…大丈夫だったかな?」
ま、今更みんなに辞めとけって言われても辞める気なんてないんだが…
やはり、というか皆どうやら賛成のようだ。
この機会に俺と燭台切の旦那があっちに少しでも接触できれば、と考えてる奴らも居るみたいだし、反対意見も無いみたいだし。
「あと、主って呼ぶことに対して了承もあった」
広間が俄かにざわつき、そのざわつきは嬉しさからの反応と戸惑いの反応が垣間見える。
「じゃあ、これからあるじさまってよんでもいいっていうことですね!」
「そうなるな。またこっちに来るみたいだし、その時に見かけたら呼んでみりゃいいさ」
「わかりました!そうします!!」
今剣や俺の兄弟達が嬉しそうに頷き合うのを見ながら部屋の隅で座り込んでいる自称じーさんを見やる。声をかければ恨みがましそうな目で振り返った。
「なぜ燭台切と薬研なのだ…俺のほうが練度が高いというのに…」
…まあ、第一印象ってやつだろうなあ……
それはじーさん自身が一番良く分かってると思うし、追い討ちをかけるまでもないな。
「それじゃあとりあえず解散。演練の日取りが決まったら皆にも伝えるからね」







「主、その刀かい?」
「そうそう」
「そんなに気に入ったんだね…」
兼定の言葉に私はふっふっふと声をあげる。
「大丈夫だって。この刀はきっとみんなの力になる!」
はず!!!

ついさっき届いた刀を桐箱から取り出した。
入手方法を聞いて絶対に無理だと諦めたけどまさか交換システムがあったとは…
まあ、二次創作のご都合設定なんだけども。本当の刀剣乱舞でも交換システム導入してほしいですよね、まったくもう!!
国広がどうせ俺は写しだから…とかぐちぐち言ってるけど五月蝿いよ君!
あんたのその性格どうにかしなさいよ!
深淵の主人公だって最後は改心して前向きになってたでしょ!その前髪を断髪してやろうか!!

「呼ばないのかい?」
「ちゃんと呼ぶし」
よし、さあおいでませ!!
力を込めればぶわりと桜が舞って、私が求めていた刀が顕現された。



「どうも、すいまっせん。明石国行言います。どうぞ、よろしゅう。まっ、お手柔らかにな?」










ニート・オブ・ニートのご降臨である。

 
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