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番外編

「主、この、えーっと…かるま?ってどういう意味だい?あとゲームに出てくるカナ文字」
「……」
決して、決してだ。説明が面倒になったとか、そういうわけじゃない。
「兼定…人に聞いてばかりは雅じゃないと思うのよ。だからこれを使いなさい」
スッと差し出したのは電子辞書である。それはそれはハイスペックな電子辞書だ。
この電子辞書があれば漫画やゲームに出てくる横文字にも対応しているので、フォニムとか超振動とか色々分かっちゃうわけですよ。いやーなんて便利な時代になったんだろうね2200年って。
持ち運びができるうぃきぺでぃあだと思ってくれて大丈夫です。
「ふむふむ…なるほど……」
兼定は黙々と電子辞書に向かって頷いている。
これで自分の面倒な仕事はなくなったぜ、と思っていたらこれから来る刀全部に対して同じ対応をするとは思っていなかったのである。
江雪左文字が来たあたりでそっと電子辞書を直ぐに渡し、ゲームや漫画で分からない事があったらこれで調べなさい。と言うのがテンプレとなった。

「この電子辞書ってすっごいよねー」
彼らのMy電子辞書には思い思いのシールが貼ってある。
まあ、兼定と長谷部しか居なかった時に、どっちの電子辞書なのか分からなくなって喧嘩になってたので私が考案したのだけど。
因みに、私はどっちがどっちの電子辞書なのかは分かっていたため、兼定と長谷部が結局互いのものを自分の電子辞書だと勘違いして使っているのは私だけが知っている。
それにもう言ったってシール貼ってあるし無理だよね。どんまい!
「確かに、これが無ければ生活に支障が出ていたかもしれないな」
長谷部が頷きながらなんか言ってる。でもそれって生活に支障じゃなくて、ゲーム生活に支障だと審神者思うよ!
「あるじさま!シール変えたい!!」
「また?!浦島ってば三日に一回ぐらいの頻度で変えてるよね!?ぽんぽん携帯の待ち受け変える女子高校生かよ!!」
心変わり早すぎィ!私を見習いなさいよ!私の端末の待ち受けはずっと変わってないぞ!それこそ現代に居た時に使ってた待ち受けから!!
「次は何がいいの?」
「咬み殺す!」
「…クフフ…咬み殺す…う゛お゛ぉ゛ぉ゛い゛…だって俺王子だもん……うっ、頭が……!」
浦島くんもいつか…黒歴史という言葉を知るときが来るさ…
私はそっとシールを作る機械で咬み殺すという文字のシールを作ってあげた。
嬉しそうにそれを電子辞書に貼る彼から目を逸らしたくなる。だけど、目を逸らしてはだめだ。それは自分の過去から目を背けることと、同じ。
今度はなんのシールを作らされるんだろう。
彼がシールを変える毎に私の傷口が抉られていくのはたぶん気のせいではないと思うんだ。



電子辞書シール
歌仙→なんか雅な感じのシール(キノピオではない)
長谷部→あいらぶあるじor主命があればそれにする
大倶利伽羅→ピカチュウ
江雪→北条家家紋と弟二人の紋
浦島→現在嵌っている漫画とアニメでころころ変わる


 
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