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番外編


「この世は地獄です……」
「やめてあげて!オーバーキルだよぉ!」
ガチャガチャと手元からけたましく鳴り響くはコントローラーのボタン音。
今日も今日とて江雪左文字は華麗なる手捌きで敵を木っ端微塵にしていくのだ。

「なんでだよ…江雪って絶対に戦闘ゲーム向きの性格じゃないじゃん…」
知ってるんだよ審神者。君が他の本丸で戦嫌いとして有名なことぐらい審神者録オンラインでギルドメンバーから情報を得ている審神者は知ってるんだよ。
「見るからに動物の森で虫とか魚捕まえて売って借金返済してるような顔してるじゃん…なんでそんな憂いを帯びた顔で格闘ゲームしてんの…」
儚げな横顔。見つめる先は、敵。なんでだよ。
「牧場作ってそうな顔してるじゃん…牛から貰ったミルクで生計立ててる顔してるじゃん…好みのキャラクターに物を貢いで円満な家庭を牧場とともに育んでる顔してるじゃん…」
「ゲームは別です」
「どゆことなの…」
審神者わからないよ。君の争いがどのラインに当たるのか全然分からないよ。


「弟が居るって言ってたけど、会いたいとは思わないの?」
「叶うのであれば、そう思いますが…
宗三と小夜がどう思っているのかは分かりません…」
「まあ、そうだよね…」
もしかしたら私が呼んだことによって、宗三左文字と小夜左文字?が江雪のことを良く思っていない可能性もある。
そう思うとなあ…折角呼んだのに弟たちに会わせてあげられないのはなんだか申し訳ない。
歌仙達もあっちに知り合いが居ると思うし、私と本丸側の関係で皆が苦しい思いをしていると思うと主失格だよね…本当にごめんみんな……
「主、気落ちしなくていいのですよ」
「江雪…」
「私は…素晴らしいものに出会えて、嬉しく思います…」
彼の目線の先は、ゲームである。当然のようにゲーム。

「もうやだ私の刀剣達!!!」
主への感謝じゃなくてゲームへの感謝じゃねえか!!!!

 
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