短歌


 菜の花が咲いていたよと写真来てピンボケの指映る愛しさ


 好きの後どう続けるか二十九の文字数多いようで少ない


 無人駅タイムラインは動かずに流れ途絶えた深夜ツイッター


 イブとイブ アダムとアダムの楽園をわらう蛇へと投げる毒林檎


 この恋はいったいいくらになるだろう花屋の先で悩む夏の日


 筆を取り眉間にヒビ入れ悩んでるその横顔が愛の象徴


 前歯なき笑顔を見せる弟妹ていまいの欠けつつ育つ背丈を思う


 セーラーのスカートなびき逆上がり「残念でした」のぞく短パン


 土砂降りが僕の住む島覆ってる明後日頃には君の町に行く


 僕じゃない人が僕らの話してそれを信じる僕じゃない人
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