死人に梔子


 シンプルな壁を、四つの花束が彩っている。
 ミニテーブルに置かれた花瓶は、よく見ると墓石の形をしていた。
 花立ては澄んだ水で満たされている。
「悪趣味ですね」
 眉をひそめ、カイが溜息を吐く。
 そして、「この花を差せばいいのでしょうか?」と、壁に並ぶ花束を見た。

 ケイジとカイは壁の花束を眺め、左から順に視線を移していった。

 淡い桜の枝がまとめられた花束。
 大輪の向日葵がまとめられた花束。
 鮮烈な紅葉の枝がまとめられた花束。
 赤い一重咲きの椿がまとめられた花束。


 桜の枝を差す 52ページ

 向日葵の花を差す 53ページ

 紅葉の枝を差す 54ページ

 椿の花を差す 55ページ


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