死人に梔子
蛍光灯の光で満たされた地下室の壁。
三つの壁は、それぞれに特徴があった。
向かって左側の壁には、四種類の花束が飾られていた。
壁の前には洒落たミニテーブルが置かれ、そこそこ大きな花瓶が立っている。
階段の正面、中央の壁には鳥の絵が描かれていた。
壁一面、十数羽の鳥が池を泳いでいる絵だ。壁には長机が寄せられている。
向かって右側の壁には、絵が掛けられていた。デフォルメ調のカラフルな絵だ。
壁の前には、なにやらいくつかの小物が並んでいる。
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「謎解きのようですね。危険なものは……花瓶が鈍器になるくらいでしょうか」
「なんだか脱出ゲームみたいだねー」
顎に手を添えたカイが、悩ましげに眉を寄せる。
「なぞなぞは苦手です」
ケイジが、足元に落ちている紙に気付いて拾い上げた。
「ん。……ヒント、だってさ」
レシートのような細長い紙には、ボールペンでメモが書かれていた。
『謎解きが苦手・さっさと進みたいという
読みやすくも遊び心の込められた、落書きのような文字が踊っている。
カイは、ばっさりと切って捨てた。
「この上なく怪しいです」
「同感だね。……で、どうする?」
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