死人に梔子
階段を背にした正面の壁には、楕円形の池が描かれていた。
水面を、十数羽の鳥が泳いでいる。
緑色の頭と黄色いくちばし。茶色い胴体。鳥は鴨の群れのようだった。
群れから離れた位置に、一羽だけぽつんとたたずんでいる者もいた。
壁の前には長机が置かれている。
まんなかに四角い木枠が設置され、まわりに小さな積み木が散らばっていた。
ケイジが積み木を手に取った。
「……井戸の『井』に、『化』ける。それと『十』か」
漢字の形をしている積み木を、ひとつひとつ確認する。
「ちょうど木枠にはめられそうですね」
カイが横から口を出す。
木枠はひとつ、積み木は三つだった。
「はめてみますか?」
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