まとめ



 ブランコのゆれるまにまにはなすこと ついてはなれて つかずはなれず(今剣)


 生と死が交差する夏 道端に転がる蝉を指でつついた(秋田藤四郎)


 月光を浴びて桔梗は天に咲く きっとここから星が生まれた(日向正宗)


 永遠がないこと知っていて僕ら筆をとる日々 生きていく日々(歌仙兼定)


 寂しげな風鈴 夏が終わってく どれだけ今を楽しめたかな(一期一振)


 海辺にてなにを残してゆくべきか 足跡どうせ消えてゆくけど(治金丸)


 砂浜に刻んだ相合傘ひとつ持ってけ白波 海の底まで(乱藤四郎)


 立ち尽くすための場所だと渚にて砂を踏みしめ波に洗われ(千代金丸)


 胸を裂くような痛みと泣く人に己の胸へ当てた手のひら(加州清光)


 比喩でなく身を切る痛み比喩でなく首を切ったのすべて現実(大和守安定)
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