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名無しside
急に美風先輩から連絡があり、私は講堂に向かった。
講堂の扉を開けると、ステージに美風先輩が立っていた。
「聞いて、ボクの歌」
曲が始まり、先輩が歌い始める。
観客は私だけ。
こんなの、夢みたい。
ずっと、自分だけに歌ってもらうのが夢だった。
しかも、ずっと憧れだった美風先輩に…
美風先輩が音を紡ぐ
優しい声、純粋な気持ちを表した歌詞…
この歌詞は、誰に宛てられたものだろう
“やっと解ったんだ”
“君が好き”
その歌詞は、真っ直ぐと私に向かって紡がれた
美風…先輩…
先輩は一時も目を逸らさず、私に歌い掛ける。
これは、先輩の気持ち…?
歌詞が、メロディーが、私の心に流れ込んでくる。
曲が終わって、私はふと我に帰り、精一杯拍手をした。
美風先輩がステージから降りて、私の元へ来られた。
「きっと、君を初めて見たあの夜、ピアノを弾いてるのを見たときから…
はじめは、この気持ちがよくわからなくて、悩んで、行き詰まって。
この気持ちの理由が分かったら、すぐに歌詞が思い浮かんだ。歌詞だけじゃ、伝えきれないけど…ボクが一番うまく伝えられるのは、歌だと思ったから
君のことが、好きなんだ」
美風先輩は、真剣な表情で、真っ直ぐと私の目を見て言った。
私の心は、痛いくらい激しく高鳴っていた。
嬉しすぎて、呼吸が止まりそうなくらい。
「美風先輩…」
もう、なんて言えばいいかわからないくらい嬉しくて、うまく言葉が出てこない。
しかし、嬉しさのあまり涙が溢れそうになる。
「どう…したの?ちょっ、なんで泣くの」
だめだ、美風先輩を困らせちゃ。ちゃんと、伝えなきゃ。
「私も、先輩が好きですっ…ずっと、先輩よりもっと前から。
ずっと、自分の曲を先輩に歌ってもらうのが夢で、今日その夢が叶って…しかも、それだけじゃなくて、こんな嬉しいことになって….こんな素敵な歌詞をつけていただいて…」
「ほ、ほんと…⁉︎どうしよう、すごく嬉しい。」
その瞬間、引き寄せられ、気づくと先輩の胸の中にいた。
「愛って、こんなにあったかいんだね」
「先輩っ…」
ぎゅっと、抱きしめられる。
「この気持ちをくれて、ありがとう。」
愛というものを、君から教えてもらった
END