A.I know
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藍side
今日は深夜の収録で、少し帰りが遅くなってしまった。
少しだけ重い足取りで、寮の自分の部屋に向かう。
その道中、ピアノの音が聞こえてきた。
「綺麗な音色…」
窓際のピアノを誰かが弾いているみたいだ。
誰だろう?
窓から月明かりが差し込んで、ピアノに反射している。
綺麗……
月明かりに照らされた横顔は、見惚れるには十分なほど美しくて
一瞬にして惹きつけられた。
しばらくその曲、音色に聴き入ってしまった。
その曲は、聞いたことがなく、自作のものなんだろう。
メロディーがカラダに入り込んで、胸に強く刻み込まれる。
気づけば、もうこんな時間。明日も収録がある。
演奏中に話しかけるわけにもいかず、渋々自室に向かう。
名前も知らない、見たこともない人だった。
名前を知りたい。
彼女の姿とあのメロディーが、ボクの中から消えなかった。
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次の日の収録は、レイジと一緒だった。
「マスターコースでピアノ弾ける人って、誰がいる?」
「うーんと、ひじりんとかかなぁ?」
「他には?」
「作曲家だったら、後輩ちゃんが弾けるよ!」
「名前は?」
「名無ちゃん…だったかな?あんまり接点ないから詳しくは知らないけど。」
「そう…」
「アイアイが他人に興味持つなんて珍しいね!何があったのか嶺ちゃんにテルミープリーズっ!」
「名無…か…」
「ちょっとー!アイアイ聞いてる⁉︎」
まだボクの頭では、あの曲がループしていた。
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数日後、社長から電話があり、新曲の話が舞い込んできた。
曲はもうほとんどできているらしく、イメージをまとめるために作曲家がミーティングをしたいと言っているらしい。
社長から言われた通り、ミーティング室に向かった。
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