過保護系男子
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私は美風藍と付き合っている…。
しかし、事務所のみんなはそのことを知らない。
藍はべつに知られても構わないと言っていた。
でも、私は秘密にしようといった。
みんなを信頼していないわけではない。
ただ、みんなに気を使わせるのが嫌だった。
いままでの空気を壊したくなかった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ある昼下がり…
私は、寮の1階のソファーに座ってくつろいでいた。
さっきまで部屋に一人で閉じこもって仕事をしていたけど、気分転換に人と接したくなった。
ここなら誰か来ると思って。
まぁ本音は、藍に運よく会えたらいいな…という感じなんだけど。
階段から足音がする。
振り返ると、嶺ちゃんが2階から降りてきたところだった。
「おっ、名無しちゃん!ここで何してるの?誰か待ってるとか?」
『ちょっと息抜きに誰かと話したくなってね。』
「そーなんだ。じゃあボクちんが相手をしようかな!」
『ありがと。紅茶入れるね。』
「ん!ありがとぉ~」
給湯室にティーセットを取りにいく。
その間のことーーーーーーーーーーーー
「あれ、ランランにミューちゃん!」
蘭丸とカミュが降りてきた。
「なにしてんだ?」
「名無しちゃんとティータイムしようと思って♪」
蘭丸とカミュもソファーに座る。
「あれ、アイアイは?」
「自室に居るのではないか?」
「そっか…ちょっと話があるんだけど。」
「なんだ改まって」
「実はさ、アイアイと名無しちゃん、付き合ってるみたいなんだ」
「「はぁ!?」」
「それは本当か?」
「僕そういうの鋭いから、確実だと思う。」
「…かなり驚いたぜ。でも、まだ信じられねぇ。」
「俺も本人から聞かんと信じんぞ。」
「でもさ、仮に付き合ってるとして、なんで僕たちに言わないんだろう?水臭いよ!」
「そうだな。まぁ美風の性質上、あまり堂々と言いそうにもないが。」
「でも一言くらいあってもいいよね!?ということで、いまから本人に真相を吐かせようと思いまーす!」
「興味がないこともないな。美風のデータを取るにもちょうどいいかもしれん。」
「じゃあ、僕がアイアイを挑発するから、2人とも、ちゃんと協力してねっ」
「めんどくせーな…」
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
私が給湯室から戻ると、2人増えていた。
『みんな、暇人なの?』
「そんなニートみたいな言い方しないでよぉ~。今日はみんなオフなんだ。」
『へぇ、はいどうぞ。』
3人に紅茶を出す。もちろんカミュには砂糖ザックザク。もはや混ぜる音が紅茶じゃない。
そして他愛のない会話をする。
「でさぁ~、その収録の時ランランが…」
『ぷっ、蘭丸たまに笑わせてくるよねwww』
「そ、それはわざとじゃねえ!たまたまだ!」
「無意識で笑わせているのか。それも才能だな。」
カルナイの4人だけで居ると、必要最低限のことしか話さないらしいけど、わたしがいろいろ聞き出してみると、案外面白い話に富んでいる。
みんなで最近の話をしてめずらしく盛り上がっていると、藍がやってきた。
「なにしてるの?」
「みんなでわいわいしてたところ~。折角のオフだし、ね!」
藍はふーん、と興味なさそうに私の隣に座った。なぜか少し、不機嫌そう。
「そういえば名無しちゃん、最近一段と可愛くなったよね」
『へっ?』
藍の紅茶を入れながら、急な話の転換に驚いて手を滑らせそうになる。
「いやーさ、前から可愛いけど、もっと可愛くなったなーって。そう思わない?」
「そうだな。以前より外見に気を使うようになったように見えんこともない。」
なぜかカミュまで話に乗り出す。
「ランランはどう思う~?」
「俺に振るか…。ったく…。まぁ、その…」
「うんうん!」
「か……可愛くなったんじゃねーの。………って何言ってんだ俺」
『!?』
い、イマナンテイッタ!?今の蘭丸だよね!?熱でもあるのか。
「おおおっ!ランランらしくないこと言うね~~」
「・・・・・」
藍が無表情だ。こわい。
「アイアイはどう思う?」
「…べつに。元から可愛いし。」
藍!?そ、そんなこと言ったらバレ・・
「美風、今日は素直だな。」
「名無しちゃん!もしかして恋する乙女になったから可愛くなったの!?」
「べ、べつに・・・」
「じゃあ今度僕ちんとドライブデートしよう!」
「何故そうなる。お前に名無しを任せられるわけがなかろう。」
「ミューちゃんしどーい!」
「おい名無し、ちょっとこっち向け」
突然蘭丸に呼びかけられ、顔を向ける。
「目ぇつむれ。」
大人しく目をつむる。まさか、殴られる!?
なんて思っていたら、顔に、蘭丸の大きな手の感触。さらに指が触れる。
目を開けると、少し近い顔。
「まつげ、付いてたぜ」
そう言う蘭丸は少し得意げでなんかかわいい。
普通の女の子だったら落ちてますわ、これ。しかもこれも無意識でやってるんだろうな。
「ちょっと~。ランラン!名無しちゃんと顔近いよ~。ずるーい」
「う、うっせぇ!そんなつもりはなかったんだよ。」
「・・・・・・・・・・」
藍の表情が確実にさっきより怖くなってる。どうしよう。というかなんで今日はこの人たちこんな攻めてくるの。
「ん?どしたのアイアイ?」
嶺二に問いかけられ、藍は私のほうを向いたと思ったら、私の腕が強い力でつかまれた。
「あ、藍…?」
「ちょっとごめん。」
え、えっ!?
藍は私の腕を引き、二階に連行した。
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