Under the umbrella
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※付き合う前の話
※『目線の先』の続き(←リンクで飛べます)
収録が終わり、一緒だった一ノ瀬とテレビ局を出る。
頬に水滴を感じ、雨が降っていることを知らされる。
「おや、雨ですか…」
「予報にはなかったはずだが…」
あいにく傘は持ち合わせていない。
そのとき、
もう一方の出口から名無しらしき人物が出てきた。
驚いて目を疑うが、本当に名無しだった。
その手には傘はなく、少し空を見上げた後、ためらわず雨の中を行こうとしている。
そのとき、ぽんっと腕に傘の感触。
「行ってきたらどうです。」
折り畳み傘を差し出す一ノ瀬。
「一ノ瀬…俺は別に」
しかし、言葉を遮られ
「あのままでは、彼女が風邪をひいてしまいますよ。」
一ノ瀬なりの気遣いなのだろう。
「しかしお前が」
「私は今日は少し疲れましたからね。タクシーで帰ります。」
一ノ瀬はタイミングよく通りかかったタクシーに乗り込む。
俺はすかさず助手席側の窓から運転手にタクシー代を手渡した。
「…っ!それは悪いですよ。タクシー代くらい気にしないでください…と言いたいところですが、あなたなら引き下がらないでしょうから受け取っておきます。」
一ノ瀬が納得したように言う。
「あぁ、ここまで気を使ってもらっているのだ。このくらい当然だろう。」
「健闘を祈ります。早く彼女の元へ行ってあげないと見失ってしまいますよ。」
「あぁ、ではまた」
俺は小走りで彼女の後ろ姿を追いかける。
いつもより早い鼓動を感じながら。
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※『目線の先』の続き(←リンクで飛べます)
収録が終わり、一緒だった一ノ瀬とテレビ局を出る。
頬に水滴を感じ、雨が降っていることを知らされる。
「おや、雨ですか…」
「予報にはなかったはずだが…」
あいにく傘は持ち合わせていない。
そのとき、
もう一方の出口から名無しらしき人物が出てきた。
驚いて目を疑うが、本当に名無しだった。
その手には傘はなく、少し空を見上げた後、ためらわず雨の中を行こうとしている。
そのとき、ぽんっと腕に傘の感触。
「行ってきたらどうです。」
折り畳み傘を差し出す一ノ瀬。
「一ノ瀬…俺は別に」
しかし、言葉を遮られ
「あのままでは、彼女が風邪をひいてしまいますよ。」
一ノ瀬なりの気遣いなのだろう。
「しかしお前が」
「私は今日は少し疲れましたからね。タクシーで帰ります。」
一ノ瀬はタイミングよく通りかかったタクシーに乗り込む。
俺はすかさず助手席側の窓から運転手にタクシー代を手渡した。
「…っ!それは悪いですよ。タクシー代くらい気にしないでください…と言いたいところですが、あなたなら引き下がらないでしょうから受け取っておきます。」
一ノ瀬が納得したように言う。
「あぁ、ここまで気を使ってもらっているのだ。このくらい当然だろう。」
「健闘を祈ります。早く彼女の元へ行ってあげないと見失ってしまいますよ。」
「あぁ、ではまた」
俺は小走りで彼女の後ろ姿を追いかける。
いつもより早い鼓動を感じながら。
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