子守唄
お名前変更
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「眠れない…」
ベッドに、1人。
寝ようとしても眠れない。
少しでも眠気を誘おうと、耳にはiPodに繋がれたイヤフォンを装着し、あるものを聴いていた。
そのとき______
突然何者かによって左耳のイヤフォンが外された。
そして、振り返る間もなく
「起きているのか?イヤフォンをしたまま寝るのは耳に悪いぞ。」
「っ!?」
聞き慣れた声が耳に息がかかるくらいの距離で囁かれる。
iPodを止めて慌てて振り向くと、そこには部屋着姿の真斗くんがいた。
「帰ってたんだ!?ごめん、全然気づかなかった…」
私としたことが、イヤフォンのせいで真斗くんが帰ってきたことに全く気づかなかった。
「あぁ、いいのだ。それより、今日は先に寝ておけと言っただろう。眠れないのか?」
真斗くんが私の布団に入りながら言った。
「うん…って、真斗くん足あったかいね!」
「あぁ。風呂を上がって急いでお前の元へ来たからな。まだ少し体が火照っている。」
「ふふ、ありがとう。」
「お前と早くこうしたかったのだ。」
真斗くんはぎゅっと、布団の中で私を抱き寄せた。
「お前は足が冷たいな。温めてやる。」
真斗くんは私の足の間に自分の足を絡めて、熱を伝えてくれる。
「真斗くんの素足…ふふ」
「素足が、どうかしたのか?」
「素足って、普通に生活してたら結構レアじゃない?私だけが見られるって思ったら、ちょっと嬉しくて。」
「可愛いことを言うやつだ。俺は、お前の触り心地のいい足が好きだ。」
すりすりと、真斗くんの足が私の足を撫でるように擦る。
「くすぐったいよ。でもやっぱり、真斗くんがいた方が布団があったかい。」
「人肌が一番と言うからな。…そういえば、先ほどまで何を聴いていたのだ?」
ギクッ
それは一番聞かれたらマズイことだ。
って、いつの間にか真斗くんが私のイヤフォンつけてるし!
「あっ、ちょっと待っ…」
私の制止も聞かず、真斗くんはiPodの再生ボタンを押した。
すると、真斗くんは一瞬固まり、そのあと真っ赤になってiPodを停止した。
「お前…」
そう、私が聞いていたのは、
数年前発売された真斗くんの囁きCDだったのだ。
「だって、落ち着くんだもん…」
「それは嬉しいが…本人がここにいるだろう?」
「…ですね」
「お前が落ち着くのであれば、いくらでも囁いてやろう」
真斗くんは私の耳に唇を寄せる。
「耳元で囁くだけでは、あのCDと大して変わらないな。…そうだ。」
何かを思いついたように真斗くんが言った。
いや、生で囁かれるだけで私はいっぱいいっぱいなんだけど。
「少し借りるぞ。」
真斗くんは片方のイヤフォンを私の耳に、もう一方のイヤフォンを自分の耳に付けた。
そして、iPodを操作して曲を探している。
「子守唄にはこの曲がいいかもしれないな。」
真斗くんがボタンを押すと、曲が流れ始める。
この曲は…「騎士のKissは雪より優しく」のピアノonlyバージョン。
原曲よりスローで、しっとりとした曲調。
「♪お前に出会うため…守り抜く為に生まれた…」
真斗くんが曲に合わせて歌ってくれる。
しかしその声はいつもとは違って、囁くような声で、でもちゃんとメロディは刻まれていて。
真斗くんの胸に耳を当てると、声の振動が伝わってくる。
すごく、幸せ。
「この曲を作ったときのことを思い出すな。」
ふと真斗くんが言った。
「なつかしいね。」
「あのときの俺の気持ちをそのまま歌詞にした故、なおさらあのときのことが思い出される。今お前とこうして居られることが、心から幸せなことだと気付かされる。」
真斗くんが顔を近づける。
「俺の孤独を、深い愛を、受け止めてくれたのは名前、お前だ。…愛している。」
真斗くんは私の頬をなぞると、優しく口付けた。
「今夜はお前が眠りにつくまで、歌を捧げよう。」
おでこにそっと、キスが落ちる。
目を閉じると、真斗くんは再び心地よい歌を口ずさみ始めた。
END
________________________
あとがき
文中に出てくる囁きCDとは、「うたの☆プリンスさまっ♪ ささやきCD -Sweet Holiday-」のことです。よかったら聴いてみてくださいね。
これ書いてるのクリスマスなんですよ。虚しいですよね。(笑)そんなときに真斗くんに歌ってもらいたいです。
おわり。
2015.12.25
1/1ページ