今辛いあなたへ
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コンコンーー
ガチャっ
「はーいっ…って、名無しちゃん⁉︎こんな時間にどうしたの⁉︎」
いつも余裕のある嶺ちゃん。
でも今はかなり戸惑ってるみたいだ
『いっしょに…寝よ?』
すると嶺ちゃんは目を見開く
「えっ、ちょっ、とりあえず、中入ろう!」
嶺ちゃんは私の手を引いて、部屋の中に導いた。
部屋の中は、寝る前だったのか、ベッドサイドのランプだけが付いていた。
部屋の中に入り、嶺ちゃんは私を座らせると、カモミールティーを淹れてくれた。
「カモミールティーはね、気持ちをほっこりさせて、リラックスさせる効果があるんだよ」
カップを取り、口に含むと
爽やかな味がひろがる。
心があったかくなった気がした。
ふと、嶺ちゃんの視線を感じて顔を上げる。
「うんうん!ちょっと表情良くなったね」
私の目線の高さに合わせて、いつものニコニコ笑顔
私を安心させてくれる
『ごめんね、迷惑かけて…』
「なーに言ってるの。迷惑なんて、思うわけないよ。」
嶺ちゃんは微笑むと、両手を私に向かって広げた。
「 おいで 、名無しちゃん 」
思わず勢いよく、嶺ちゃんの体に飛びつく。
触れ合って初めて実感する、大きな身体。
服越しで感じる逞しい筋肉。
徐々に伝わってくる熱。
ぎゅっと私に回る、大きな手。
「よしよし」
いつもの嶺ちゃんの声より、少し低いトーンの声。すっと私の中に入ってくる。
体から伝わってくるもの全部、嶺ちゃんのもの。
ひとつひとつが、嶺ちゃんの優しさ。
気づくと涙が溢れていた
一度涙が出ると、堰を切ったように溢れ出る。
でも、嶺ちゃんに暖められたからか、あったかい涙だった。
嶺ちゃんは私に何も聞かなかった。
無理に聞かないでくれるのが、また嶺ちゃんの優しさで
涙が少し収まってから、私は少しずつここへ来た理由を話し始めた。
ーーー
「そっか…」
嶺ちゃんは、私を抱きしめたまま、相槌を打ちながら聞いてくれた。
話しながら、また少し涙が溢れてきたりしてきたけど、嶺ちゃんは「ゆっくりでいいよ」と落ち着かせてくれた。
一通り話し終わると、嶺ちゃんはゆっくり話し出した。
「僕はね、名無しちゃんの笑顔が好きなんだ。だから、その笑顔を壊す奴は、たとえ誰であっても許さない」
「うまくいかないことは、たくさんあると思う。今は、先が全く見えなくて、その闇から抜け出す方法もわからないと思う。
でもね…僕は、どんな深い闇に君が居ようと、絶対に導いてみせる。君が道に迷ったら、手を引いて、光を、幸せを、君に見せてあげる。
2人だったら、乗り越えられないことなんてない」
「焦らなくていい、時間が経てば、少しずつでも状況は変わってくるから。
無理もしなくていい。そんなに自分を追い詰めちゃダメだよ。」
嶺ちゃんは言い終わると、少し身体を離して、私の顔を覗き込む。
真面目な嶺ちゃんの顔が少し緩んで、私の好きな、嶺ちゃんの優しい笑顔になった。
その目は、強い意志と、優しさを含んでいた。
『ありがとう、嶺ちゃん』
私の心は、ここに来る前よりはるかに軽くなっていた。
今までのことがなかったかのように、リラックスしていた。
「そろそろベッドに入ろうか?シングルだから狭いけど、我慢してね?」