「暁ちゃんが気に病む事は何もないさ。誰だって好きな相手の力になりたいと思う」

誰でも頼りたくなる時はある

そんな時に頼らせてくれて支えてくれるのは、自分に少なくとも好意を持つ人間しかいない

誰が好き好んで、嫌いな人間を助けると言うのだろう

「…私が好きになる保証なんてないのにですか？」

泣きそうな顔で聞いた暁に京楽が頷く

「皆、アンタに笑っていて欲しいのよ」

「下心が全くないって訳はないだろうけど、それが一番だろうね。だからといって同情して付き合ったり、避けたりするのは彼らに失礼で、それこそ侮辱だよ」

暁の薄葡萄の眼が揺れる

「暁ちゃんは今まで通りでいいんだよ」

戸惑っている暁に京楽が優しく諭すように話す

恋愛をするという選択肢を持っていない暁には、どうしたらいいのかわからないのだろう

悩む必要など何一つありはしない



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