よく眠れた感覚に暁が目を覚ます

柔らかいタオルにくるまれているのに、阿近だと気づいて微笑みが漏れる

周りを見渡して阿近がいないのに気づく

時計を見れば、もう朝と言うには遅く、どこに行ったのだろうと首を捻る

「遅い目覚めだな、お姫さんよ」

食事を片手に入って来た阿近の顔をまじまじと見つめる

目の下にクマは見られない

「ちゃんと寝たから安心しろよ。ホラ、メシにするぞ」

「ありがとうございます、タオルも柔らかくて寝心地が良かったです」

お陰で体も痛くないし、よく眠れた

無頓着そうなのにこうして細かい事に気遣ってくれる

「で、虚にやられたのは何時だ？」

焼魚に手を出していた暁がハッとして時計を見る

もうそろそろ時間だ

「暁、ちゃんとメシ食え」

慌てて床に飛び下りた暁に阿近が冷静に告げる

冷静な阿近にもう戻る時間だと叫び返した



.