男の手が伸ばされるのに体が竦んで動きが鈍る。

まるで自分の身体ではないかのように重くて動けない。

伸ばされた手が首のチョーカーを引き千切る。

「声は聞けないけど、僕との間に言葉なんて要らないよね」

投げられるように容赦なく床に叩きつけられて痛みに息が詰まる。

「ダメだよ、抵抗しちゃ。これは僕以外に抱かれたお仕置きなんだから」

男の体重がのし掛かってくるのに忘れていた恐怖が思い出される。

「…っ！…、…っ！！」

「大人しくしてよ」

頬に痛みが走り、口の中に血の味が広がる。

両手を簡単に片手で押さえつけられて、死覇装が肌けられる。

こんな男一人、何とか出来ない事実が##NAME3##を打ちのめす。

自分はまだこんなにも弱い。

強くなっていなかった。

襲われる恐怖

助けを望んだ##NAME3##に、声が響いた。

ドンッ

「なっ…」

壁に叩きつけられた男から驚愕の声が漏れる。

「フフ、やっとこの時が来た」

髪をかきあげた##NAME3##が嘲笑うかのように笑った。




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