目を開けると知らない場所にいた。

白い壁に自分が寝ている寝台と椅子しかない部屋に首を傾げる。

何故、こんな所に…

考えを巡らせた脳裏に情景が浮かぶ。

いつものように子供達と床につくつもりだった。

それが突然押し入ってきた男達に壊された。

水を貯めてある瓶を手にし、自分を押し倒し、逃げ惑う子供達を手にかけていった。

そこへ現れた異形のモノ

「っ…？…っ、…！！」

叫んだつもりが声が出ない。

あの時に自分の中に響いた禍々しい女の声と、刃で身を抉られるような痛みが思い出される。

娘の動揺に比例するかのように霊圧が跳ね上がり部屋を揺らす。

バタンッッ

「！！大丈夫ですよ、もう何も恐れる事はありません」

跳ね上がった霊圧に飛び込んできた女性が臆する事なく娘を抱き締めた。

その女性は娘が落ち着くまで髪を撫で、優しく包み込むように抱き締めた。

まるで母親のような慈愛に満ちた温もりに、取り乱していた娘も段々と落ち着いていった。



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