第三夜
コトハ
raison detore神田落ちの夢です。
すみません、名前返還がわかってなくてコトハ‣ローリエルになります。
申し訳ありません
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「コトハ!」
『え?ちょっ、リナリー!?』
いきなり抱きついてきたリナリーに、バランスを崩しかけたコトハが踏ん張る
「んもぅ、兄さんたらそんな物あげたの?」
捨てていいわよと天使のような笑顔で言われて、コトハが青くなる
リナリーって最強かもしれない…
逆らわないようにしようとコトハは決めた
リナリーからは黒いレースで出来た手袋を貰った
右腕にイノセンスがあるコトハは、暑くなってきた今でもずっと長袖で腕を隠している
嬉しい贈り物だった
「おい」
神田が突然、小さな紙袋を渡してきた
『いつ買ったの?』
「町で別れただろうが」
あぁ、あの時
今回の任務で聞き込みはいらないというのに、神田は強行したのだ
『…綺麗』
中身は真紅の薔薇をあしらった髪留めだった
どんな顔で買ったのだろう
仏頂面で選んだのかと思うと笑みがこぼれる
「…お前に似合うと思った。貸せ、つけてやる」
『ありがとう、神田』
思ったよりも優しい手つきで髪を一纏めにする神田
不揃いの横髪が落ちて首筋がくすぐったい
髪を結って貰うのも久し振りだ
『…神田、誕生日なんてね、呪われた日だと思ってたわ…』
ぽつりとコトハが呟く
ここに来てから、久し振りの事ばかりで、まだ少ししかいない自分のためにこんな事をして貰えると思ってなかった
「誰もがお前が生まれてきたのを祝ってるんだ、誰にも言うんじゃねぇ」
結い終わった神田が、コトハの目を真剣な表情で見据える
「お前がこの世に生まれた日だ、呪われた日な訳ないだろうが」
『神田…』
「…俺はお前が生まれて、ここにいて良かったと思うがな」
顔を赤く染めて、視線を合わせずに言った神田にコトハが抱きつく
慌てて体を離そうとする神田に、更に力を込めてありがとうと呟く
「コトハちゃん、抱きつくならお兄ちゃんに…」
「いいじゃないっスか、微笑ましくて」
コムイが止めに行こうとするのをリーバーが止める
それを神田が見て舌打ちする
見せ物になるつもりはなかった
暫くはコムイがうるさそうだ
『…神田。今日の事、忘れないわ。髪留めありがとう』
そう言ったコトハの声は震えていた
こんなに嬉しくて、温かい誕生日を忘れない
ここにいれば、この時期…誕生日の時期も、普通に過ごせる時がくるかもしれない
私にも答えが見つかるかもしれない―――
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