aftare the rainn
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『ねぇ、ユウ。耳をすませてよ』
目を閉じて周りに耳をすます姫を見つめてから、姫と同じように目を閉じる
聞こえるのは当然、酷く降る雨の音ばかり
何が言いたいのかと聞こうとした時、姫が口を開いた
『ちょっとした自然の音楽会でしょ?』
葉に落ちる雨粒の音
地に雨が降りしきる音
滴が落ちて跳ねる音
鳥の鳴く声
全てが調和された一つの音楽のように聞こえる
『それにね…』
姫が神田の左胸に抱き着くようにそっと耳をあてる
静かな自然の音楽に加わる神田の鼓動
人工的な音のしない空間に聞こえる愛しい人の心音に、まるでこの世界に2人しか存在しないかのような錯覚に捕らわれる
「…確かにな」
人工的な物はそこに静かに輝く女神像しかない
この世界が千年伯爵に脅かされているとは思えない程、穏やかで静かで優しい世界が広がっている
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