Merry Christmas!
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リウエイホテルの最上階。
扉を開けてまず目に入った光景に息を飲んだ。
大きくとられた窓からラグーナが一望できる。灯をともして行き交うゴンドラと、光に浮かぶ聖堂のドーム。寄り添って建つクラシカルな装飾の建物が、水の上に浮かんでいるように見える。
「すご……」
窓ガラスに手をついてまじまじと見入る。後ろから肩を叩かれて振り向くと、コルが苦笑していた。
「コートぐらい脱げ」
「あ、はい、忘れてました」
「さすがリウエイのスイートだな。眺めも申し分ない」
コートをクローゼットにかけながら、何気なく放たれたスイート、の単語にはっとする。確かに広い。リビングからベッドルームへ向かうと、天蓋付きベッドがあった。紗のカーテンに大きなベッド、膨らんだ枕が並んでいる。
「は、初めて見たお姫様ベッド……!!はっ!お風呂は!?」
期待を込めて浴室のドアを開ける。そこには、
「じゃ、ジャグジー!」
感動しすぎて眩暈がしてきた。これがラグジュアリーホテル。これがスイートルーム。いつも私が使うビジネスホテルは兎小屋か。
リビングへ戻ると、コルはシャツの襟を緩め、ソファでくつろいでいた。
「どうだった」
「素晴らしいです」
横に並んで座る。ゆったりした大きさで、身体が沈み込むようだ。いちいち感動させてくる……と呟くと彼が笑った。
「そんなにはしゃぐとは思わなかった」
「そりゃはしゃぎますよ。こんな素敵なお部屋、初めてですから」
寄り添って肩に頭を預ける。そっと手を繋ぐ。
「連れてきてくれて、ありがとうございます。あなたと来られて良かった」
「いつも世話になっているからな」
「あの、私からもプレゼントがあるんです」
立って、荷物からプレゼントを取り出す。受け取ったコルはすぐに包みを開けて、首を傾げた。中には透明な小瓶が入っている。
「香水?」
「はい。それ、オーダーメイドなんです。コル将軍のイメージで作ってもらいました」
彼は自分で何でも買えるし、大抵の物は持っている。悩んで選んだのがそれだった。世界に一つの、彼のための香り。
「何と言って注文したんだ?」
「大人で、渋くて、優しくてセクシーで、筋肉が似合う人に合わせてくださいって言いました」
「……そんなに素直に答えるとは思わなかった」
自分から聞いておいてぶつぶつ言いながら、試しにつけて匂いを確かめている。驚いたように声を上げた。
「不思議だな。初めてつけたのに何故かしっくりくる」
調香師の腕は確かだったのだ。◯◯◯もほっとして胸を撫で下ろす。抱き寄せられると、ふわりと香りがした。
「ありがとう」
「気に入ってもらえて良かった。将軍、良い思い出に、なりましたか?」
いつもより優しい青い目が◯◯◯を見下ろす。キスが降ってきて、なった、と囁いた。
「ただ、俺のイメージが買い被りすぎな気もするが」
「えー、そうかなあ?」
照れたように視線を逸らすのが愛おしくて、つい笑ってしまう。笑うな、と頬を摘まれて更に笑いが込み上げてきた。
「良いじゃないですか、私目線なんだから」
「お前な……そうだ、気になっていたんだが、チョコボの寒さ対策は何をするんだ?」
「あ、それはですね……」
和やかなまま、クリスマスの夜は更けていく。
終