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Wセコムを〇〇したら出れない部屋に入れてみた


1日目

えー皆さん、突然ですがオレは今何も無い部屋に閉じ込められてしまったようです

どうして?誰に?
それはオレにも分からない
家に帰って寝て、起きたらこの状況なのだから

拉致監禁される心当たり?ありすぎて困るくらいだ

この部屋に愛するナツはいない
けれど寂しさは感じない、何故なら1人じゃないから
だけど恐怖は感じる、何故なら一緒にいるのがここでは有名な最凶の黒魔導士でナツ症候群をこじらせたヤンデレ兄のゼレフが一緒だから!
ナツがいない寂しさよりも命の危険を感じる

ゼレフ「なぜ…なぜ僕がこんなところに…僕のナツを誑かす奴なんかと一緒に…」

ほらもう殺気をヒシヒシと感じるよ!

「あーあーマイクテスマイクテス」

痛いほど刺さる殺意の視線に耐えていると、天井に設置されているラクリマから聞き覚えのある声が響く

ルーシィ「大丈夫そうね
やっほー!BL界で高確率で腐女子設定にされるルーシィちゃんでs…」

チュドォォォォン

グレイ「る、ルーシィ!?」

何事かと驚いたが、ゼレフが天井に向けて手を伸ばしているのを見て理解した
ラクリマを…破壊しやがった…
恐らく今から始まるはずだった説明も聞かずに…
これはかなり…やばいのでは…

ゼレフ「ナツを…僕のナツを返せ…
返さないというならこの男を…」
ルーシィ「ストップストップストップ!
いるから!ナツはちゃんといるから!」

始めのラクリマは壊されることは想定していたのだろう
部屋全体にルーシィの声が響き、今度はマイクの位置が特定できない

グレイ「ナツ?ナツはどこにいるんだ!」
ルーシィ「アンタ達の様子を特別ルームで見てるわ」
ゼレフ「ナツ…ナツが僕を見ている?
あぁナツ、待っていてね
すぐに僕が助けに行ってあげるから」
グレイ「んで、こんななんもない部屋に閉じこめて何をさせようってんだ」
ルーシィ「ふふっ…ここはね、同人界では有名な〇〇したら出れない部屋なの」
グレイ「っ!!それってまさか!」
ルーシィ「そう!題して『ナツへの気持ちを叫んだら出れない部屋』を脱出せよ!
ってことで、アンタ達には3日間ナツへの気持ちを叫ぶのを我慢してもらうわ」
グレイ「んな無茶な!
あのツンツンデレで愛らしくて可愛いナツへの想いを我慢しろだなんて…ヒッ!!?」

オレの頬を飛んできた何かが掠め壁にぶつかると巨大なクレーターが出来た

ゼレフ「キミがその口でナツのことを語るだなんて罪深きこと
命を持って罪を償え」
グレイ「待てルーシィ!この企画の失敗はオレの命に関わる!今すぐ中止しろ!」
ルーシィ「叫ばなければ大丈夫よ
それに、グレイに何かあればナツが悲しむし、ナツが悲しむことをしたりしないわよ」
ゼレフ「…っ」
ルーシィ「それじゃ頑張ってね、ゲームスタート!」

ということで、強制的にゲームを開始させられたのだった
まぁたかが3日、それぐらい我慢できる

と、思ったのはつい昨日
ゲームを開始して二日目で既に限界が来ていた

グレイ「ルーシィ!中止だ!はやくこのゲームを中止しろ!」

どこにあるかもわからないマイクに向かって叫ぶ
だが、まるで月面のようにクレーターだらけになったこの部屋でマイクは無事に生き残っているのだろうか

このクレーターの発生源は勿論部屋の中央で蹲っているゼレフ
昨日の時点で嫌な予感はしていたが、今日になってとうとうナツ不足が限界を超えたため精神が不安定となり魔力が暴走していた
しかも、あと一日ならなんとかなるかもと期待を持つところだが、残念な事に昨日からずっとゼレフが『ナツがいないとダメだ』とか呟いているためゲーム的にはまだ1日目…いや、今日も既にカウントがクリアになっている
ってか、これいつまで経ってもクリアできねーよ!

ルーシィ「大丈夫よ、なんだかんだグレイ生きてるじゃない」
グレイ「今回はさすがにヤバイわ!」
ルーシィ「まったく…」

ルーシィが呆れた声を零すと、部屋の壁の1箇所が開き、そこから恐る恐るといった様子でナツが顔を覗かせた
ってか、こんな悲惨な状況でよく扉開いたな

ナツ「うっわ…すげぇなこれ」

なんてオレの危機的状況にも関わらず呑気なことをいいながらナツは警戒することなくゼレフに近寄った

ナツ「大丈夫か?」
ゼレフ「…ナツ?」
ナツ「おー、オレだオレ」
ゼレフ「ナツ!」

顔を上げてナツの姿を確認するとすぐさま抱きついた

ゼレフ「あぁナツ…会いたかったよ…
もう離れないからね、ずっと一緒にいよう」
ナツ「あー、わかったけど程々にな」

すがりつく兄を宥めるように優しく頭を撫でるナツ
正直オレも今すぐにナツに抱きつきたいが、そんなことしたらあのヤンデレブラコンになにをされるか…
故にオレは生き残った安堵とナツに近づけない悲しみの涙を流しながらその光景をみていた
いいんだ、家に帰ったらあんなことやこんなことしてやるんだから!
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