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イベント


1月1日
騒ぐには十分な理由となる正月

しかし、いつも騒がしいギルドの建物からは物音ひとつしない
朝早くから夜遅くまで開けっ放しの扉は固く閉じられ、紙が1枚貼られていた

『外出中』


























場所は変わってカルディア大聖堂

結婚式などでしか使われないこの広い空間が今日はこの場所に似つかわしくない連中で埋め尽くされていた

マカロフ「今年は賠償額が少なく済むように…」
ミラ「マスター、声にでてますよ」

そう、今日の妖精達は全員仕事に行かず、東洋で言う初詣に来ていた
本来なら寺や神社にお参りに行くようだがこの国には無いので街にある聖堂へとお参り…というよりお祈りに来ていた

グレイ「ナツ、何を神様に願い事したんだ?」

お祈りをしている連中の中には勿論グレイとナツも居るのだが、今日は珍しく静かにお祈りをしていた

ナツ「こういうのって言ったら駄目なんだろ」
グレイ「ちょっとぐらいならいいだろ?
なぁ、何願ったんだよ」
ナツ「…今年こそ会えるようにって願ったんだよ」

誰にとは言わない…けれど、ナツのことを知ってる奴なら誰もがわかる
今年も、今までと同じようにイグニールに会えるように願ったのだと

グレイ「なーんだ、今年もそれか」
ナツ「何だとはなんだよ」
グレイ「てっきりオレは『ずっとグレイと一緒にいれるように』って願ったのかと思ったのに」
ナツ「ん?おまえはそう願ったのか?」
グレイ「当たり前だろ?ナツと一緒にいられるようにって」

当然と言わんばかりのグレイに対して、ナツは何故?とでも聞きたげに首をかしげる

ナツ「それ、神様に願わねーと叶わないのか?」
グレイ「…へ?」
ナツ「オレはそんなの願わなくてもずっと一緒に居られると…何してんだグレイ」
グレイ「話しかけんな…今一生懸命神様にさっきの願い事取り消して貰ってるから」

別に取り消すこともねーと思うけど
と思いつつナツは何も言わなかった

だって普段のかっこいい姿もいいけど、こういうバカっぽいことしてる姿も好きだから

…まぁ、そんなこと絶対に言ってやんないけどな
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