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イベント



今日は12月24日
聖なる夜の前日…いわゆるクリスマスイブ
ぼっちにとっては魔のイベント
しかし、無事に想い人と付き合えたオレにとっては思い出に残るイベントとなる

「聞いたか?ナツがこの間似合わねーアクセサリーショップに男と入っていくとこ見たやつがいるんだってよ」
「マジか!オレは男と高そうなホテルに二人っきりで入っていくとこ見たやつがいるって聞いたぞ」

はずだったのだが…オレの想い人であるナツが浮気をしているという噂を聞いてしまった

グレイ「なぁ…その話もう少し詳しく聞かせてくれねーか?」
「グレイ!」
「ひっ…やばい…」

ニッコリと、笑みを浮かべて優しく聞いてるだけなのにどうしてそんな悪魔を見たかのような顔して震えているのか…
あぁ、机が凍っちまってるからか…そりゃ寒いよな
…大丈夫、オレは怒ってねーよ?だってナツが浮気するはずないじゃねぇか
なぁ?ナツ














ナツ「いってぇ!いい加減離せ!」

仕事から帰ってきたナツの腕を掴んで問答無用で家に連れて来ると、我慢出来なくなったのかオレが扉を閉めると同時にナツが乱暴にオレの手を振りほどいた

ナツ「なんなんだよいきなり家まで連れてきてよ」
グレイ「なんなんだはこっちのセリフだ」
ナツ「は?っ!」

怒りに震える手でナツの胸ぐらを掴んで壁に押し付ける
ナツは驚いたのか小さく肩が跳ねたがそんなこと気にしてやれるほどオレの心中は穏やかじゃない

グレイ「男と…買い物してたらしいな」
ナツ「は?…あっなんで知って…」
グレイ「ホテルにも行ったらしいな」
ナツ「あっ、ちょっ待て落ち着け!」
グレイ「オレはナツのこと愛してるのに!なんで…」
ナツ「話聞け馬鹿!」
グレイ「ぐっ!」

感情が昂って周りが見えていなかったオレは諸に左頬にナツの拳を食らって床に倒れてしまった

グレイ「いっ……ナツ!…っ!?」

このままじゃナツがオレから離れていってしまう
そう思い急いで身体を起こしたオレの目の前に小さいけれどしっかりとした作りの箱を乗せたナツの手が差し出されていた

ナツ「オレの話も聞けバカグレイ
ほら、これを買いに行ってたんだよ」
グレイ「えっ…これを…」

少し躊躇いつつもその小さな箱を手に取り蓋を開けてみると、そこに入っていたのは紅い小さなラクリマが付いた片耳だけのピアス
見間違えでなければ金属の部分に『GLAY』と彫られている

グレイ「もしかして…これをオレに?」
ナツ「グレイなんて、おまえ以外に誰がいるんだよ
くそっ…本当なら明日渡すつもりだったのに…」
グレイ「えっ…じゃあ、ホテルは…」
ナツ「…ロキに景色が良くて上手いレストランを聞いたらそこを教えてくれたから一緒に下見に行ってたんだ」
グレイ「えっ…えぇ?なんでそんな…」
ナツ「っ…おまえが!おまえがいつも何かしらあるとオレに色んなものくれるからだろ!」

羞恥からか、隠しきれなかった悔しさからか、はたまたその両方か、ナツは顔を真っ赤にしながら叫ぶ

ナツ「おまえが、いつもいつもオレのためにしてくれるから!こんな時ぐらいオレが何かしてあげようと思っただけじゃねーか!なんか文句あんのかよ!」

文句なんか…あるはずが無い
オレは立ち上がるとそのまま泣き出しそうなナツを力強く抱きしめる

グレイ「ごめんナツ…ナツのこと疑っちまってごめん」
ナツ「グスッ…オレは、グレイがオレのこと想ってる以上におまえのこと好きだし」

縋り付くように腰に回されるナツの暖かい腕
微かに震えてるのは泣いてるせいか…

グレイ「それは聞き捨てならないな
オレの方がナツのこと愛してるし」
ナツ「そんなことねぇ!オレの方が好きだし!」
グレイ「じゃあ愛してるって言ってみろよ」
ナツ「へぇっ!?」
グレイ「ほーら、愛してる」
ナツ「あっあぁ…あぁあぁぁ!!」
グレイ「いででででっ!!は、はなせぇっ!!背骨折れるぅぅ!!」


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