『猛毒の赤』

 
 一週間後、僕はヘッドフォンをしなくなった。

 朝食にトマトスープも出なくなった。

 それは、母さんと男が死んだのと同じ時期だった。

 おじいちゃんは僕に家と土地をくれた。

 車椅子でアトリエへ行くと、風戸さんが赤い花の絵を描いていた。





「やっと、赤が使えるようになりました」
















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