この想いの偽りかた
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アナタのことなんて
好きじゃない
むしろ嫌い
もう、目で追わないし
もう、ときめかない
アナタのことなんて
これっぽっちも
思い出さないから
【この想いの偽りかた】
「よし!『かみなり』だ!」
レッドのハツラツとした声が、マサラの高原に響いた。
それに反応するかのように、ピカチュウのピカは、小さな体ながらも強烈な電気を放つ。
「よけろ!ニョた……」
ゴールドが指示する間もなくそれは命中し、ニョロトノがパッタリと倒れた。
「うーん、やっぱりゴールドはタイミングが遅いな。」
「うう…。これでも俺だって頑張ってるんスから。」
彼が頬を膨らませながらそう言うと、レッドは腕組みをして、なにやらうーんと考えこむ。
やがてニッと笑顔を見せると、私のほうにズイっと近づいてきたから、思わず後ずさりしてしまった。
「1回俺のだすタイミング見てれば分かるかもしれないから、イミテ、相手してくれるか?」
レッドが笑顔で私にそう言ったけど、私は顔を逸らしてしまう。
なんでかな…、目が見れない。
なんだかレッドに近づきたくない、かかわりたくない。
「今日はやめとくよ。なんか調子悪くてさ。」
そう言って笑顔を見せたつもりだけど…、なんだか引きつってしまう。
無理に表情をつくったからか、頬の筋肉がはっている感じがした。
「レッド先輩、俺だってイミテ先輩に教わるほど弱くないッスよ?」
「ちょっとゴールド!どういう意味!?」
へへ、っとイタズラっぽく笑うゴールド。
「もー……」
ああ、なんだか表情が軽くなった気がする。
いつもどおり、笑えた。
もしかしたらゴールド、私のためにわざと…?
………なんていうのは自惚れだよね。
そんなことを思っている自分自身に少し呆れて、苦笑いがこぼれてしまう。
「……イミテ、大丈夫か?」
「う、うん!」
心配してレッドが覗きこんできたから、私は反射的に勢いよく立ち上がった。
「イミテ…?」
「そろそろ帰る時間かな?私イエロー呼んでくるね!」
「お、おい…」
そう言って、レッドに背を向けて走りだす。
私、なんでレッドのこと避けてるんだろ…。