この恋の終着点
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「今なにしてるのかなあ…。」
私は空を見上げる。
空はつながっているから、もしかしたらレッドもこの空を見ているかもしれない
…なんて、ロマンチックなことはガラじゃないから言えないけど、
せめて、
「あの時は楽しかったな…」
アナタがいた日々を振り返るぐらいは大目にみてくれるよね?
過去にとらわれたくないけど、少しぐらいは、幸せに浸ってみたい。
もう色あせてしまった
あの日の思い出を、
なんとなく、空に描いてみた
(ああ、でも)
「お前、ぶつかったんだから慰謝料はらえよ。」
「あーあ。腫れてらあ。どうしてくれんだよ?」
やっぱり、それすらも許してくれないの?
いかにも悪人らしいセリフが聞こえてふり返れば、2人のチャラそうな男の人達と、手押し車をもったおばあちゃんがいた。
「ごめんなさい、でもアナタ達からぶつかってきて…」
「屁理屈言ってんじゃねえよ!」
よく見てみればおばあちゃんは足が擦りむいている。
一方男達は全くといっていいほど傷がない。
明らかに誰が見ても悪いのは後者。
でも誰も助けようとする人はいない。
…皆、自分が一番かわいいんだ。
ま、そんなもんだよね。この世界は。
私はモンスターボールに手をかけ彼らに近づいていく。
話しあってみて解決しなかったらとことん懲らしめてやろう。
初めは誰をだそうか…、とかを考えていた私だったけど、一瞬でその考えは台無しになった。
「今の悪いのはお前らだろ?そっちが謝れよ。」
「なんだお前!口答えする気か!?」
物怖じしない、凛とした声。
さっきまで描いていた
霞がかった思い出が
ゆっくりと色づいていく
「だれだよ、お前?このババアと知り合いか?」
「ははは!孫とか言うんなら慰謝料払ってもらわねえとな!」
色とりどりのクレヨンで
きれいに、きれいに
「いや、その人とは知り合いじゃない。俺はただ人を捜してるだけだ。」
「部外者は黙ってな!怪我したくなかったらひっこんでろ!」
そして、最後を飾るのは
「それはこっちのセリフだぜ!」
「…!バカにしやがって!!」
大好きな“赤”色
男達が殴りかかったけれど、突然現れた彼は素早くモンスターボールに手をかけた。
途端に砂ぼこりがたち何も見えない状態に。
周りにいた野次馬達もガヤガヤと騒ぎ出す。
しかし心配は無用で煙がはれた瞬間、わっと歓声があがった。
彼の…、レッドの相棒、ニョロボンのニョロが男達の喉仏に両腕をつきつけていたからだ。
「謝れば許してやってもいいぞ?」
イタズラっ子のような笑みを浮かべた彼に、男達は冷や汗をかきながら「「ごめんなさいい!!」」と必死に謝っていた。
しかし彼はムッとした表情になる。
「俺にじゃなくて、こっちに。」
彼は視線をおばあちゃんに向けた。
男達は顔を見合わせ、少し恥ずかしそうに彼女にも謝っていた。
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