この恋の終着点
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もう太陽は真上に昇っている。
ああ、何時間ここにいたんだろう。
私がいるのはマサラタウンの高原。
昔と変わらないこの町の優しい雰囲気を目に焼き付けながら、私の心にはただただ空虚感を感じていた。
でも、どこかに全部終わったんだ…、っていう解放感もある。
2つが混ざり合って、なんだか変な気分。
「イミテ先輩!」
「ゴールド…?」
私を覗き込むようにしてひょっこりと現れた明るい笑顔に戸惑い、驚きながら私は彼を見る。
「隣いいッスか?」
「うん。どうぞ。」
返事を聞くなりゴールドは、私の隣りにストンとあぐらをかいて座った。
「どうしてここに?」
「イミテ先輩がいると思って。」
「え…?」
「…なーんて、冗談ッス。イエローさんに事情を聞いて、朝から先輩のこと探し回ったんスよ?」
「そうなんだ…。ありがとね。」
一瞬の沈黙。
マサラの風が私達を優しく包み込んだ。
ゴールドは意を決したように次の言葉を口にした。
「…ついでに、レッド先輩にもいろいろ聞きました。」
「……そっか。」
「イミテ先輩は、もうレッド先輩のこと好きじゃないんスか?」
ゴールドが私の顔を覗きこむようにして聞いてきたけど、私は視線をそっちに向けることなく答えた。
「好きじゃない…って言えばウソになる。…まだ好きだよ、大好き。」
「じゃあどうして…!?先輩達は両思いじゃないッスか!……俺に遠慮してるなら…やめてくださいね?責任感じちまうし……。」
柄にもなく、弱々しくて辛そうな表情を見せる彼。
ああ、ゴールドも辛かったんだね。
「違うよ。ゴールドは何も悪いことしてないんだから、堂々としてればいいの。ね?」
「イミテ先輩は知らないと思いますけど、俺、レッド先輩に…」
人差し指を立ててシーッとやれば、ゴールドの言葉は止まった。
私はそれを見てにっこりと笑う。
「うん。聞いたよ、レッドから。でもさ、ゴールドは何も悪くないじゃない?」
最初は、ゴールドがそんなこと言い出さなければ、私とレッドは付き合ってたんだろうなとかいろんなこと考えてた。
でも気づいたんだ、そんなの関係ないって。
今大切なのは、そんなことじゃない。
「でも…、遠慮してるのはあたってる。」
「やっぱり……」
「違うの。ゴールドじゃなくて、イエローに。」
「イエローさんに?」
私は立ち上がり、グッと、空に向かって大きく伸びた。
「私とレッドが付き合った後のイエローの気持ち考えると…そんなことできない。」
私がずっとそうだったから…。
ずっと2人を見て苦しんできたから。
イエローに、そんな思いはさせたくない。
「…俺は、そんなことされて、イエローさんが喜ぶとは思いませんけど?」
「うん。私も喜びはしないと思う。でも、少なくとも傷つけないですむでしょ?」
私の言葉にゴールドは納得がいかないといった表情をした。
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