この恋の終着点
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「じゃあ、レッドと話してくるね。」
「はい…。おじゃましました。」
イエローの涙が止まったころ、私と彼女は家をでて別れた。
「ツバサ、飛んで。」
私はモンスターボールからカイリューのツバサを出して背に乗る。
向かうのは、彼との一番の思い出の場所…、シロガネ山。
数十分で着き、私はツバサをボールに戻す。
…レッドはここに来てるはず。
誰に聞いたわけでもない。
何の確信もないけど。
でも、きっと、私たちは何かに惹かれあうように…
「…やっぱり。」
声とともに、後ろからザッという音がした。
「イミテもここにくるだろうと思った。」
ザク、ザク
レッドのスニーカーが土を踏む音がやけに大きく響く。
静かな夜の静寂のなか、ただそれだけが聞こえる。
レッドは私の目の前で止まった。
「話しがあるの。」
「俺もだ。」
強くレッドを見れば、彼も目をそらさずに私を見返した。
「…ね。とりあえずさ。バトルしてくれない?」
私と彼が出会ったこの場所で、
私と彼が仲良くなったバトルで、
あの日々を思い出しながら
もう一度
「いいぜ。望むところだ。」
彼はニッと笑うとすぐさまボールを投げてニョロボンをだした。
「ツバサ。」
私もカイリューをだす。
「手加減は?」
「無用!」
レッドがイタズラな笑みを見せたから、私も対抗して笑ってやった。
「ツバサ、〝でんじは〟!」
「ニョロ、〝みずでっぽう〟!」
どちらともなく始まったバトル。
レッドの声と私の声はほぼ同時だった。
「「かわして!」」
2匹ともうまく体をくねらせ、ワザをかわす。
「一旦空に逃げて、〝こうそくいどう〟!」
ツバサはニョロの攻撃がとどかないよう、空に舞い上がる。
「ニョロ、〝かげぶんしん〟!」
その間ニョロが何もしないはずはなく自身の能力を高める。
そしてどちらも一呼吸おいて…
「〝りゅうのいかり〟!」
「〝れいとうビーム〟!」
今度はお互い攻撃をかわすことなく、直に攻撃をくらう。
2匹とも後ろに吹っ飛んだけど、まだ戦う元気はあるようだ。
でも苦手なワザをくらったからツバサのほうがダメージは大きい。
「ニョロ、〝はらだいこ〟!」
「(この状況で〝はらだいこ〟!?)」
だいぶHPが減りニョロは苦しそう。
「チャンスだよ、ツバサ!近づいて!〝たたきつける〟!」
グンとスピードを上げてツバサはニョロに目の前までいき、しっぽを振り下ろした。
「うけとめろ!」
それをニョロは両腕で受け止める。
「なるほどね…」
このために攻撃力をあげたって訳か……。
接近戦にもちこんで、力比べでもするつもり?
両者一歩も引かない押し合い。
「ねえ、レッド…。」
こんな状況で私はレッドに話しかける。
「何だ?」
「私、レッドのことが…、好きだった。」
聞こえたかは分からない。
呟くように囁いた言葉。
好きだったの
大好きだった
世界で一番、大切なヒトだった
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