この恋の終着点
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「どうぞ。」
湯気のたったミルクティーをマグカップにいれてイエローの目の前に差し出す。
彼女は弱々しく「ありがとうございます」とお礼を言ったが、それには手をつけない。
「飲まないの?嫌いだった?」
そう言ってもいえ…、と感情のない返事をするばかり。
さっきからこんな調子だ。
私は思わずため息をつきイエローの向かい側に座る。
「何があったの、イエロー?」
彼女は下を向いて黙りこむ。
私は自分の分のミルクティーを口に運んだ。
…今の気持ちに似合わないくらい甘く優しい味が口に広がる。
「……レッドさんに言われたんです…。」
観念したかのようにやがて彼女はゆっくりと話し始めた。
「『俺はイエローのこと、好きじゃない』って…。」
「はっ!?どういうこと?」
「レッドさんが本当に好きなのは……、イミテさん、アナタなんです…。」
わた、し……?
「それはないよ、イエロー。私、レッドにイエローが好きって打ち明けられて協力してたんだから…。」
「でも、レッドさんが言ったんです…!やっと…本当の気持ちが分かったって…っ!」
半ば怒鳴るようにイエローはそう言い、わああんと泣き出した。
「…ッ!」
うそ…、そんな訳ないじゃない。
今までこんなに苦しんできたのに…、今更そんな…。
絶対に、ないよ。
ひどいでしょ、そんなの。
ずるいでしょ、そんなの。
「イエロー……、」
私は彼女の背中に手をおき優しくさする。
なんだかすごく不思議だ。
今までレッドとイエローの仲が悪くなって、お互い好きじゃなくなればいいのに…、関係が壊れてしまえばいいのに…、そして彼が私だけを見てくれればいいのにって、
そんなことをずっと思ってた。
でも今は、イエローの苦しんでる姿見てるほうが辛くて…。
ズキズキ、ズキズキと。
鋭い針で刺されたかのように胸が痛む。
仲間の幸せを、強く想ってる。
ああ…今の私なら好きになれそうだ。
「そんな勝手な言い分許さない…!私、レッドのところに言ってどういうつもりなのか聞いてくる。」
「ありがとうございます…。でも大丈夫です…。イミテさんもレッドさんが好きなんですよね?」
核心をつかれ、胸が高鳴る。息をのむ。
「え…」
「ずっと分かってました。でも僕もレッドさんのこと好きだから…、気づいてないフリしてて…。」
イエローは私を見てにっこりと笑った。
「イミテさん、行ってください。好きな人といるのが一番ですよ。」
でもそれはどこか悲しそうで…。
そんなの、心からの言葉じゃないでしょう?イエロー。
「私はね、レッドとイエローが早く仲直りしてくれるほうが幸せだよ。」
「イミテさん…?」
「確かにレッドのこと想ってたよ、昔は。でももう諦めたの。今はなんとも思ってない。」
……バカなこと言った。
それは自分自身が一番よく分かってる。
これは、最後のチャンスなのに…。
ごめん、ってイエローに一言言えば、私はレッドの隣にいられるのに。
誰よりも彼の近くにいられるのに。
でも、やっぱり…。
「だから、レッドの隣には、イエロー。アナタがいるべきだよ。」
もう、期待なんてしたくない。
間違っていたとき、苦しみがおおきくなってのしかかってくるから。
だったら期待なんてもてないぐらい、レッドとイエローが幸せそうに笑っていてくれれば、私も幸せだから。
「私も手伝うから仲直りしてきて?ね?」
今度は私がイエローに笑みを向けた。
もう、しっかり笑えるよ。
「……はい…!」
イエローもしっかりと返事を返した。
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