正直になる方法
夢小説お名前変換こちらから
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
しばらく歩いたところで、掴んでいた手を離す。
「イミテ!空、見てみろよ!星がすごいぜ?」
「…………」
イミテは無言のままだった。
「なんだよ、急につれてきたこと、怒ってんのか?」
「………」
……当然の結果だよな。
「……ゴールドと帰りたかったとか?」
「……っ!」
その言葉を聞き、イミテは俺を睨みつけた。
「なんなの…!イエローの誘いも断って、私を送るとか言い出して、事情も話さないで無理矢理連れてきて……。あげくの果てには人をバカにするような事言って!レッドのバカ!!」
イミテは一気にそう言うと、
「レッドなんて、もう知らないから…!」
スタスタと歩きだした。
俺は思わずイミテの手を掴み、自分のほうに抱きよせる。
「な、に………」
彼女が驚いたのは言うまでもない。
「は、離してっ…!」
逃げようとする彼女を、いっそう強く抱きしめる。
「何があった?」
「え…?」
「イミテ、最近笑わなくなっただろ?苦笑いばっかりで。」
「そんなこと、ない…。」
なんで、強がるんだよ。
「見てれば分かる。」
なんで、隠そうとするんだよ。
「少しは俺のこと頼れよ…。」
「っ…!レッドには関係ないから!」
「じゃあ何で俺を避けるんだよ…!」
「…………っ!」
もう、
「イミテ、」
もう無理して笑わないでくれよ。
「……レッドのせいで、いろいろあったんだから…!!」
「そうか……」
やがて俺の腰にイミテの手がまわり、ギュッとぬくもりが伝わった。
「もう…、どうすればいいか分かんないよ……」
わんわんと、溜めこんでいたものを吐き出すように、彼女は泣いていた。
「レッド……」
ごめんな、ごめん……。
“…ごめん”
“やめて!同情なんかで優しくされたくないよ…!!”
この手に残ったぬくもりも、
イミテに叩かれた、手のほんのりと感じる痛みも、
数分前の出来事だからか、まだ、鮮明に思いだせる。
俺はしばらくイミテの去っていったほうを見ていたが、やがて振り返った。
「見てたんだろ?………イエロー。」
俺の言葉に、木陰から小さな黄色い影が姿を現した。
……涙を流しながら。
「レッドさんは何で僕に付き合おうって言ったんですか!?…レッドさんが本当に好きなのは…誰、なんですか…?」
イエローはその場に泣き崩れる。
「ごめん、イエロー。」
………でも、もう嘘はつきたくないんだ。
「こんなこと言うの、自分勝手だってよく分かってる。……でも、聞いてくれないか?」
正直になろう。
「俺は……」
俺が今そばにいたいのは、
イエローじゃない。