正直になる方法
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『やっぱり……。レッド先輩、好きだったんスよね?イミテ先輩のことが。』
「………」
『そうだろうと思ってたッス。すいません…、俺、レッド先輩が自分の気持ちに気づいてないのをいいことに…、ズルいことしました。』
“……レッド先輩って、イミテ先輩のこと、好きなんスか?”
“よかったー!俺、イミテ先輩のこと、好きなんッスよ。”
『先に言っちまえば…、レッド先輩を味方につけちまえば……、レッド先輩とイミテ先輩が付き合うことはないだろうって思って。』
「はは、まんまとゴールドの作戦にひっかかっちまったな。」
だから俺にあんなこと言ったのか…。
『すいません…。……俺、嫉妬してたんスよ、レッド先輩に。』
「俺に…?なんでだよ?」
そう聞けばゴールドは『つくづくレッド先輩は鈍感スね』と悲しげに言った。
『レッド先輩は気づいてないでしょうけど、イミテ先輩はレッド先輩のことが好きだったんスよ。』
ゴールドの言葉が頭の中で何度も何度も繰り返される。
イミテが、俺を好き?
ゴールドじゃなくて、俺を?
ああ、だからか。
気づかないふりをしていた。
でも、よく思い返せば、
“分かるよ。レッドの態度見てれば”
(泣きだしそうな顔で)笑っていた…?
“……そうだね、頑張って。”
目を細めて(切なげにしていた)のは、
“ちょっと嬉しくてさ。ずっとレッドに嫌われてると思ってたから”
静かに頬に涙を伝わせて、泣いていたのは、
全部、ずっと、ふとした態度にでていた。
だとしたら俺は、
“それならさ、イミテ、協力してくれねえ?”
なんて残酷なことを頼んだんだろう
“……俺、告白してくる”
どんな気持ちだったんだろう
“俺、最初の頃はイミテのことが好きだったんだぜ”
その瞳に、俺はどう映ってたんだろう
ああ、考えただけで苦しくなる。
どうして、あの時気づいてやれなかった。
どうして、自分の気持ちに気づかなかった。
後悔するばかり。
「俺ら…両思いだったってことか…?」
『たぶんそうッス。……俺が…引き離しちゃったんスよね…』
ゴールドの声は、ものすごく暗い。
「違うさ、お前が悪いんじゃない。俺がちゃんと自分の気持ちを言わなかったからだ。」
違う、違う。
“好きなんかじゃない!”
本当に大切に思っていたなら、あの時よく考えてから、言葉を口にするべきだったんだ。
すべては正直になれなかった、俺のせいだ。
『でも…』
「とにかく気にするな。それより、イミテのことだけど…、」
『……レッド先輩は…今イエローさんが好きなんスよね?…イミテ先輩は、必ず俺が元気づけて見せますから!心配しないでください!……以上!』
その言葉を最後に、電話は一方的に切られた。
「…………」
俺は今、どうしたい?
今、一番会いたいのは…。
「ピカ、山を降りてマサラに行くぞ、今すぐ。」
隣でうつらうつらしていたピカにそう告げた。
今度こそ、自分の気持ちに正直に。