この想いの偽りかた
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「そろそろ帰ろっか?雨ふりそうだし。」
さっきから空には雨雲が集まっていて、今にもふりだしそう。
「そうッスね。レッド先輩、タイミング悪いッスねー。」
「悪かったな!」
「いいじゃないッスか!どうせレッド先輩、イエロー先輩の家に寄ってくんでしょ?そこでゆっくり話せるッスよ。」
「そうそう!イエロー、今まで会えなかったぶん、いっぱい甘えときな!」
私がイタズラな笑みとともにそう言えば、イエローは少し頬を赤らめて、はい、と笑った。
「レッドさん、夕食食べていって下さい!僕、この間ブルーさんに料理教わったんです!レッドさんの好きな物、作れるようになりましたよ!」
イエローの話し方と表情から、嬉しさが隠しきれないことがよく分かる。
可愛いな、イエローは。
レッドも幸せものだね。
こんな可愛い子が自分のために料理作ってくれるなんて。
「悪い、イエロー。今日はイミテ送って行くから、そのまま帰るな。」
「え……?」
衝撃的なレッドの言葉。
イエローが悲しそうな顔をして、ゴールドは驚いた顔をした。
もちろん私も驚きを隠せない。
だけど当の本人は一瞬申し訳なさそうな顔を見せただけで、そんなに深くは考えていないみたいだった。
「……レッド?私、1人でも帰れるよ。いつもそうだったじゃん。」
イエロー、レッドが帰ってくるの楽しみにしてたのに、こんなのあんまりだよ。
「なんなら俺が送って行きますよ?」
ゴールドも同じ気持ちみたいで、レッドのほうをジッと見ていた。
「それは分かってるけど…。たまにはいいだろ?なっ?」
「レッド先輩、何言ってるんスか?」
「そうだよ!イエローにどれだけ寂しい思いさせれば気がすむの?いい加減に…」
「いいんです!」
イエローの大きな声が辺りに響いた。
「レッドさん、……また明日!」
イエローは、笑う。
でもそれは貼り付けたような笑顔。
「ありがとな、イエロー。イミテ、行くぞ。」
「ちょっと、レッド!」
私の声なんか聞いていないように、レッドは私の腕を掴みスタスタと歩く。
必然的に私も歩きだす。
振り返ってみたら、イエローはその場にうずくまっていて、ゴールドはレッドの背中を睨んでいた。
一瞬目があったけどあからさまにそらされて、怒っているようにも見えた。
皆が、嫌な気持ちになってる…。
「レッド!戻ろう!ねえ、どうしちゃったの!?」
「…………」
「――…っ!レッド!私の話し聞いて「イミテ。」
それはきっと今までで初めて聞いた、レッドの低い……低い声。
怒ってるの…?
確かめようにも後ろからだと表情が見えない。
私はただ黙ってついて行くしかなかった。