この想いの偽りかた
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「イミテ先輩、大丈夫ッスか…?」
気がつけは、ゴールドがこっちを覗きこんでいた。
「え?何が?」
聞かなくたって分かってる。
表情にでてたんだよね、きっと。
「イミテ先輩、まだレッド先輩のこと諦めきれてないんスか?」
「まさか!もうとっくに諦めてるよ!」
あはは、と笑って見せるけど、ゴールドの表情はくもったまま。
金色の瞳が私をとらえて、なんだかこの心、見透かされてるみたい。
「ほんとだって!むしろ嫌いだよ。鈍感だし、すぐムチャするし、ポケモンのことばっかりだし、さ…。」
でも、それでも好きだった。
大好きだった。
優しく名前を呼んでくれて、
頭撫でて慰めてくれて、
すごくすごく、眩しい笑顔で笑ってて…。
ああ、アナタの表情1つ1つがこんなにも鮮明に思いだせるのは、まだ好きだから?
アナタに名前呼ばれるとドキンと胸が高鳴るのは、
アナタがイエローと一緒にいるのを見ると胸が痛むのは………、
まだ、好きだからなの?
「……それなら、2人で遊びに行きません?」
「え……?」
突然のゴールドの言葉に、私は耳を疑った。
「気晴らしにどうッスか?ほら、1人でいたって苦しいだけでしょ?」
確かにゴールドの言うとおり。
でも……、
………ダメだよ。
レッドのこと、きれいさっぱり忘れきれてないのに、
ゴールドのこと好きじゃないのに、
そんなことできるわけない。
「ごめん、私ね…、「いいッスよ。」
「なにが……?」
「レッド先輩のことふっきれてなくたって、俺は構わないッス。ただイミテ先輩に元気になってほしいだけッスから。」
そう言って無邪気に笑うゴールド。
ねえ、誰かと一緒にいれば、この苦しみ、なくなるかな?
レッドのこと、一瞬でも忘れられるのかな?
いつもみたいに、笑えるかな?
「………うん。」
もう半分よく分からなかった。
ただ、この寂しさが、心の空虚感が消えれば何でもよかったの。
「ほんとッスか!?じゃあ、再来週の1時にここで!」
ゴールドの気持ち知ってるくせに。
それに応えられる訳ないのに…。
傷つけてしまうことなんて、考えなくても分かるのに。
「うん。分かった。」
自分のことしか考えてないの。
考えられないの。
ただ、ただ
苦しみから逃げ出したくて。