この想いの偽りかた
夢小説お名前変換こちらから
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「イエロー連れてきたよ!」
「さんきゅ、イミテ!」
「すいません、絵描いてたら夢中になっちゃって…。」
「はは、イエローらしいな。今日は何描いてたんだ?」
「これ、です…。」
少し戸惑いながらレッドに絵を見せ、照れくさそうに笑うイエロー。
優しく笑いながら、そんなイエローの頭をポンポン、と撫でるレッド。
二人とも幸せそうだな…、よかった…。
「イミテ先輩っ!」
「へ…!?」
はっ、と我にかえり慌てて振り返れば、汗をタオルで拭きながら明るく笑うゴールドがいた。
「ん?なに?ゴールド?」
「今日一緒に帰りません?」
それは何の前ぶれもない、突然の誘いだった。
「え…いいよ、ゴールド大変でしょう?」
「大丈夫ッスよ!俺が帰りたいんスから。じゃあ帽子とってくるんで待っててください。…以上!」
「え!?ゴールド!?」
そう一方的に言い残すと、彼は岩場においてあった帽子目指して走っていった。
私、ゴールドが帰ってきたら、ちゃんと…断らなきゃ。
その気もないのに思わせぶりな態度とるの嫌だ。
と、ポンと誰かに肩を叩かれた。
「…レッド?なに?」
突然触れられたから一瞬顔がこわばった気がしたけど…、よかった、気づかれてないみたい。
「イミテ、ゴールドと帰るんだろ?俺、イエローと先帰るな。」
にかっと笑顔をみせるレッド。
「え…私ゴールドと帰るつもりなんて……」
「一緒に帰ってやってくれないか?ゴールド、すっげー嬉しそうな顔してたぞ?」
「………!」
……なんでだろう。
ズキン、ズキン。
なんでこんなに苦しくなるの…?
まさか、
まさか、ね。
「先輩、お待たせしました!帰りましょ!」
いつものキャップをかぶったゴールドが、眩しいほどの笑顔でそう言った。
「……あの、私…、」
私が断りかけたとき、またレッドがポンと肩を叩いた。
「じゃあ俺らも帰るな。仲良くやれよ。」
「イミテさん、ゴールドさん、また明日!」
レッドとイエローはニコッと笑うと、私達に背を向けて歩き始めた。
……私の気持ちも知らないくせに、なんでそんなおせっかいなこと言うの?
なんでそんな、無神経な言葉…。
そう考えていたら、なんだか無性に悔しくなった。
「イミテ先輩…?」
「……ゴールド!帰ろっ!」
「……はい!」
レッドがそんなに頼むなら、帰ってあげるよ。
「…………」
歩みだす前にもう一度振り返ってみれば、仲良く並ぶ2つの後ろ姿。
また、ギュッと胸が締め付けられた。