00 知られざる能力
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マサラタウンに着いて、まずレッドの目に飛び込んできたもの、
「!」
それは、傷だらけのグリーンだった。
先ほどの男達がグリーンを囲むようにして立っている。
すると、1人の男が彼に鋭くとがった剣の切っ先をむけた。
「グリーン!」
「…レッド!?来るな!」
グリーンはレッドに気づき、大声で叫んだ。
大切な仲間を巻き込みたくなかったのだろう。
グリーンは刀を地面に突き刺す。
バキバキという音をたてながら地面が割れた。
「うわっ!」
攻撃しようとしていた男は地面に足をとられ、身動きがとれなくなっていた。
「!グリーン、お前…」
「フッ…、どうやら俺は能力者だったみたいだ。」
グリーンの苦笑に唖然とするレッド。
よくよく見れば、先ほどの地割れ以外にも、ところどころ割れてボロボロになっている地面があった。
これも、グリーンの能力なのだろうか…?
「とりゃあ!!」
「…!」
突然、倒れていた男がグリーンに襲いかかった。
ふいをつかれて、グリーンは反応が遅れる。
するとゴオ…、っとレッドの剣から炎がとび、男の足を止めた。
「レッド、まさか…!」
「俺も。…火の能力だ。」
レッドはゆっくりとグリーンに歩みより、背中を合わせる。
「さっさとかたづけようぜ!」
「ああ。」
火と大地。
2つの能力が交差して、あっという間に男達を倒した。
「や、やったな…。」
「ああ…。」
2人とも体力の限界がきて、その場に座りこむ。
レッドは足に傷をおっているため尚更だ。
先ほどの戦いの中でそれに気づいていたグリーンはタオルを取り出し、レッドの足にきつくまいた。
「いっ…!」
「我慢しろ。」
「……さんきゅ。」
笑いかけるレッドに、グリーンもフッと彼らしい笑みを返す。
「レッド。グリーン。」
そんな2人に近づいたのは、長老のオーキド博士。
いつも町の人のことを1番に考えて行動している、心優しい人。
しかし、そんな彼の口から、思いもよらない言葉が……。
「…2人とも、この町から出て行ってくれないか?」
「な…!俺達は町を守ったんだぞ!?」
レッドは思わず声をあげた。
自分達は命がけでマサラを救った。
感謝されるのが当たり前なはずなのに、出て行け…?
そんな理不尽な話、納得できるはずがない。
「…この戦いでお前達が能力者だということが分かった。レッドは火の能力者。そして、グリーンは地の能力者。」
「ああ…。この力があったからマサラを守ることができたんだ…。」
レッドは自分の剣を切なげに見つめる。
自分が能力者になった今、本来なら落ち込むべきだろうが、実際はこの能力があったからこそ町を守れたと感謝している自分もいる。
まさに、複雑な心境なのだ。
「だからこそ…能力者だからこそでていってほしい。」
「…!能力者の何がいけないんだよ!?」
怒りに震えるレッドの肩を、グリーンがポンと叩き、落ち着いた口調で話し始めた。
「能力者をかくまっていたとバレたら、この町にいる皆が罰せられる。レッド、おじいちゃんは…長老はこの町を守りたいと思って言っているんだ。」
能力者を見つけたら追放する……、それがこの国の…いや、今や世界の決まりだ。
オーキド博士にとって2人を追い出すことは、自分の孫であるグリーンをも追い出すことを意味する。
そこまでするのは、町を守るためで、決して彼の本心ではない。
それをグリーンはしっかりと受け止めていた。
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