08 その目に映る僕らの姿は
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「アナタ達…、剣士に弓矢使い?」
「ああ、まあ…。」
レッドの言葉を聞き、少女の顔がパアッと明るくなる。
「ねえ!私の護衛についてくれないかしら?」
「へ!?護衛?」
「おい。人に者を頼む前に素性を明かすのが礼儀だろう。お前…何者だ?」
「私…?私はハナダシティの王女、カスミよ。」
「お嬢様!見ず知らずのものにそう簡単に素性を明かしてはいけません!」
「でも信頼を得るには真実を言わなきゃ。ここで嘘をついたとしてもすぐにボロがでるわ。」
少女―…カスミはチャーミングなウインクとともにそう言った。
そのしぐさはなんだか普通の貴族の者とはどこか似つかない雰囲気をただよわせる。
「で、その王女様が、何で通りすがりの俺達なんかに護衛を?」
「それに護衛の人、もういますよね?」
「ええ…、護衛は3人ついてるわ。でも、彼らはまだ新米だから不安なのよ。」
「んー…俺達も山超えるとこだったし、そういうことなら、」
レッドはそう言い掛けたが、グリーンがズイッと一歩前にでて探りをいれるように聞く。
「ハナダの王女が、何でニビにいるんだ?それにニビに来るときは護衛はどうした?」
ハナダシティからニビシティに来るにはオツキミ山を超えなければいけない。
今、護衛が足りないと言うのならば、ニビにどうやってたどり着いたのだろうか?
「…疑われてるみたいね。まあいいわ。」
カスミは人差し指を突き立てて言う。
「まず、私がここにいるのは、ニビにいる友人に会いに来たから。」
「友人…?」
「ええ。幼なじみで、ニビの軍人なのよ。でもいざ来てみたら、脱獄者がでたとか侵入者がでたとかで…、危険だから早々に帰ることにしたの。」
「……。」
どうやらカスミはニビで起きた事件については大まかなことしか知らないらしい。
現に、それの原因であるイミテ達を前にしても顔色1つ変えないのだから。
「それと、ハナダからニビに来るときは、ここにいる3人の他にあと2人、腕のたつ護衛がついていたんだけど……ニビに着いてすぐ、帰るように命令しちゃって。」
「どうして?」
「もともと、会いに来たって言った友人にハナダシティまで送ってもらう約束だったから。その人、すごく強いし十分だと思ったのよ。」
それを聞いてイミテは眉をひそめる。
「(ニビの軍人でそれほどまでに強く、ハナダの王女と面識のありそうな人物…って……。)」
少し考えてみたが、すぐにあきらめた。
イミテは周りの軍人とは距離を置いていたため、そういった私情は全くと言っていいほど知らないし、もちろん自分のことを知らせてもいない。
「でもニビでいろいろあって今忙しそうだから、彼の負担になると思って護衛は遠慮したの。」
「で、結果的に護衛が足りなくなって困ってたってわけか。」
「お嬢様が見栄張るから…。」
「だって迷惑かけられないじゃない。」
護衛が言った言葉に、カスミは少し頬をふくらませて言う。
「ねえ、力をかしてくれないかしら?もちろん、お礼はするわ!」
「いいぜ!どうせ進む方向は一緒だし。な?」
「はい!いいと思います!」
「よかった!ありがとう!アナタ達、名前は?」
「俺はレッド!で、こっちが…」
レッドが自己紹介を始めたすきに、グリーンはイミテにこっそり耳打ちをする。
「ニビの軍人にハナダの王女と面識のある奴がいたのか?」
「さあ?私、周りには興味もなかったから分からない。」
「お前…。」
「でも嘘をついてる様子はないし、大丈夫だと思う。今のとこ、バレてないみたいだしね。」
「ああ。だが、ニビの軍人と関わりがあるとなると…厄介だな。オツキミ山を降りたら早々に離れるぞ。」
「うん、了解。」
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