00 知られざる能力
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「俺と戦うつもりか?惨めな思いをするだけだぞ?」
「やってみなきゃ分かんないだろ!」
「生意気なガキだな。」
次の瞬間、2つの刃がぶつかり合って高い金属音が辺りに響いた。
…が、すぐにレッドが力負けをして後ろに飛ばされる。
「力も動きも…まだまだガキだな。」
「この!!」
レッドはまた男に立ち向かっていくが、軽くかわされる。
レッドがバランスを崩したところに、男の剣が襲いかかった。
「ぐぁっ!」
切っ先がレッドの太ももをかすって、鮮やかな血が地面に流れ落ちた。
草の緑の上を、赤が汚していく。
地面に倒れこむレッドを見て、男は満足そうに微笑んだ。
「いいざまだな。さて…、さっさと終わらせて、マサラを襲いにいくか。」
男の言葉に、レッドの表情がひきつった。
足の痛みをこらえて立ち上がり、剣を構え直す。
マサラを守りたい。
その純粋な思いが、レッドの原動力となっていた。
「マサラは…、俺の大切な故郷だ!お前なんかに汚されてたまるか!!」
ボッ
突然レッドの剣を、太陽と同じ色のオーラのようなものが取り囲む。
「(!?なんだこれ…?)」
「もう苦しまないように、次で終わらせてやるよ!」
男はそれに気づいていないらしく、レッドに向かって走ってきた。
「く…!」
レッドはとにかく剣を思いっきりふった。
すると、炎がとんでいき男のまわりを取り囲む。
動きをふうじられた男は足を止め、レッドに向かって叫ぶ。
「!?お前何をした!?」
「………。」
答えられるはずがない。
彼自身、身に覚えがないのだから。
「お前…まさか、…能力者か!?」
「能力、者……?」
思わず、復唱した。
能力者という言葉は聞いたことはある。
能力者―…火・水・草などの自然に由来した特別な力を神々なら授かった者。
しかしその力があまりに強大だったため、能力者は見つけ次第追放というのがこの国の決まりになっている。
つまり彼らは、歓迎されない、異端者なのだ。
「ば、化け物だぁ!!」
男は今だに自分を取り囲んでいる炎をふりはらうと、一目散に逃げ出した。
「………。」
レッドは化け物と言われ、戸惑いと焦りが隠せない。
ゆっくりと、自分の剣に宿った炎を見てみる。
いまいち信じられず、剣をふるとボッ…と火の粉がとびちった。
やはり自分は能力者なのだと、認めざるを得なかった。
「(炎…。火の能力、か…。)」
しかし、それほど悲観していない自分がいるのも事実で…。
それはマサラタウンを守る力が得られたからか、はたまた、“能力者”というものに関わりがないため実感がわかないからか…。
ドン!!
突然、マサラタウンのほうから大きな爆発が聞こえた。
「!あいつら…!」
レッドは痛む足を引きずりながら、マサラタウンを目指し歩きだした。
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