07 おぼろげな記憶の中で
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あの後城からでて、4人は正門に一番近い柱に身をひそめていた。
「やっぱり…、いつもの倍以上の人数になってる。」
「よし…いい感じだな。準備はいいか?」
レッドの言葉に、イミテとグリーンはうなずく。
「イエローも、頼んだぞ。」
「はい!」
イエローも元気よく返事を返す。
「行くぞ!」
そのかけ声と同時にレッド、イミテ、グリーンの3人はザッと軍隊の前に姿を見せた。
「い、いたぞー!侵入者だ!」
1人の軍人の声により、大勢の軍人の視線が一気に彼らに向く。
「お前ら堂々とでてくるなんてバカか!?」
「もう逃げ場はないぞ!!」
「…お前らごときが何人も集まったところで、大して変わらないだろう。」
グリーンが見下したように軍人達に言う。
「ほざきやがって…!かかれ!!」
槍や剣を持った軍人達が、一気に3人に向かって走ってくる。
「グリーン!」
「ああ。」
グリーンはガッと刀を地面に突き立てた。
するとゴゴ…、という音がして、3人のいる地面以外が激しい地割れをおこす。
「うっわ…!」
「何だ、これ…!」
軍人達がバランスを崩したりしてたじろいでいる間に、イミテは矢を数本放った。
それは誰にもあたらず、城壁や柱に刺さっていく。
「どこねらって…、!」
イミテがグッと弓を軽く力をいれて握ればそこから蔓が勢いよく出て、イミテの足元に集まった。
「レッド、いいよ。」
「おう!」
イミテの言葉にレッドは軽く笑い、腰から剣をぬく。
そして剣に炎を宿らせてふり、蔓に炎をつければ一気に燃えて真っ暗な闇夜を照らす。
「あっち!!」
「うわっ!」
「くそ……!」
火はそのまま軍人が持っていた槍に引火し、槍を武器にしていた軍人達は次々にそれを捨てていく。
「お前ら!バカ…!武器を捨てるな!」
軍人達が混乱する中、門の近くでピカア…と優しい光りが見えた。
「(イエローも、うまくいったみたいだな!)行くぞ!」
レッドを先頭にイミテ、グリーンと続き、門に向かって走り出す。
レッドが考えていた策とは、レッドとイミテとグリーンが能力を使って混乱させている間に、イエローが正門を開けるというものだった。
ちなみに正門が無事に開いたときの合図が、イエローの光の能力によって辺りを一瞬明るくするというもの。
まさにこの4人だからこそできたことだ。
「よし!作戦通りだな。」
無事イエローの元にたどり着き、後はそのまま逃げるだけになったが……
「……!」
ピタリとイミテの動きが止まった。
「どうした…、!」
レッドがイミテのほうを振り返ると、数メートル先に、タケシの姿を見つけた。
「…皆、先に行って。」
「無茶ですよ!いくらイミテさんでもここで1人で戦うなんて…!応援の軍を呼ばれたら…!」
「イミテ!またそうやって自分だけ、」
「違う。」
イミテは強い意志をもった目で、3人に言う。
「ここは私1人が残るべきだって、そう思ったから。ちゃんとけじめをつけたいの。」
それを聞いたグリーンが、「…レッド、イエロー。行くぞ。」と言った。
「でも、」
「今のイミテに、何言っても無駄だ。…くれぐれも無茶はするな。」
「うん、大丈夫。ありがとう、グリーン。」
穏やかな笑みを浮かべたイミテを見て、グリーンもフッと笑う。
「イミテ!すぐ追いつけよ!」
レッドも少々納得いかなそうだが、そう言い残して、先に門をくぐった。
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