07 おぼろげな記憶の中で
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タタタ…と階段をおりる音。
その音の主はもちろんレッドとイミテ。
そしてそこにはグリーンとイエローの姿もあった。
「!いったんこの部屋に入って!」
イミテにうながされ、レッド達は言われた通り部屋に入った。
扉をしめ、ガチャリと鍵をかける。
「…今の煙、グリーン達だよね?どうしてここに?」
「宿に戻る途中、軍人がうろついているのを見て念のため町に引き返したんだ。」
「そしたら軍人が『戻って城の警備を厳重にする。今夜が一番危ないらしい。』って話してたから、何かあると思ってニビシティに来たんです。」
おそらくグリーン達はその後城での騒ぎを聞きつけて、そのまま侵入したのだろう。
イミテ達が先ほど侵入の途中に手榴弾を投げて軍が混乱していたため、門の警備は一時的に手薄になっていたはずだ。
それにイエローもしばらくこの城にいて軍の配置や城内の図は頭に入っているため、ここまで来るのも容易いだろう。
「なるほどな!はー…助かった!ありがとな、グリーン!イエロー!」
「本当…一時はどうなることかと思った。」
心底ほっとした表情をうかべる2人。
「お前らは本当に、自分の力を過信しすぎだ。今回も油断したからそんな怪我をしたんだろ。」
イミテの首にできた真新しい傷にグリーンは気づいていた。
彼の声は普段より心なしか1トーン低い。
勝手な行動をして無茶をした2人に苛立っていた。
「俺達がくるのが少しでも遅かったら捕まってたんだぞ。どうしてこんな勝手な行動をした?」
グリーンは2人を鋭く睨みながら言う。
ああ…何だか思い返せば昔からそうだった。
レッドとイミテはこうと思いたったら止まらないところがある。
レッドは熱くなると周りが見えなくなるから特にだ。
イミテはレッドに比べたら多少冷静なものの、頑固なところがあり自分の意志を曲げない。
そんな2人を諭すのはいつも彼の役割だった。
「勝手な行動をしたのは悪かったと思ってる。でも、これにはちゃんとした理由があるんだ。」
「レッド。今は説明してる暇ないよ。グリーンも、宿に戻ったらちゃんと全部話すから、それでいい?」
「……ああ。」
グリーンはため息まじりに返事をした。
「私達が城内にいられるって知られた以上、逃がさないように門の警備は尚更厳重になってると思う。」
「王室に戻るわけにもいかないよな…。あ!脱獄するときに使った抜け道は?」
「牢獄にある抜け道のこと?たしかにあそこは軍には気づかれてないけど…ここからだとだいぶ距離がある。」
脱獄した囚人がそのまま王室にくると危険なので、牢屋と王室は一番離れているのだ。
「でも…うん。そこしかないかも。」
「なるべく軍がいない道を通れば、何とかなるかもしれませんね。」
「少なくとも何人の軍人と会うことになる?」
「この騒ぎで配置が変わってるかもしれないけど、たぶん…」
「…イミテ。門って正門と裏門しかないんだよな?」
話しを聞いていたレッドが、急にイミテにそう聞いた。
「?うん。」
「どっちのが近いんだ?」
「…正門だけど。」
「よし…。じゃあやっぱり正門から脱出しよう。」
「「「!?」」」
思いもよらない発言をしたレッドに、皆が耳を疑った。
「お前、さっきの話し、聞いてたか?」
「そうですよ!特に正門は裏門に比べて軍隊が少し多いんです。止めておいたほうがいいと思います…!」
「たぶん城内の軍人も、ほとんどが門の警備にあたると思うよ?」
その言葉を聞き、レッドはニッと笑って言った。
「大丈夫だ。この4人なら。それに、敵の人数が多いほどやりやすい。」
レッドには1つの策が思いうかんでいた。
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