07 おぼろげな記憶の中で
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ボンッ!と大きな爆発音がして、
「侵入者だあー!!」
「全軍隊集合ー!!」
一気にあわただしくなった。
サーチライトを動かしていた軍人もそっちに移動したらしく、もう光は動いていない。
「これで大丈夫。さ、行こう。」
「ああ。(さすが…だな。)」
その後2人は休むことなくどんどん登っていき、あっという間に王室のバルコニーにたどり着いた。
レッドはそっと中の様子を伺う。
「レッド。王は?いる?」
「赤いマントしてるやつか?」
「うん、間違いない。側近は?」
「側近…かは分からないけど、軍服着たヤツが全部で3人いる。……ついでに、昼間の男はいない。」
「3人、か…。」
特に待ち伏せをされているわけでも、罠を仕掛けられているわけでもなさそうだ。
レッドは少し窓を開け、その会話に聞き耳をたてる。
「おい!これは一体何の騒ぎだ!?」
「西側の庭に侵入者があったようで…、」
「何のための軍人だ!使いものにならん奴らめ。お前らの変わりなんていくらでもいるんだぞ?」
冷たい口調とともに王は家来をギロリとにらみつける。
「も、申し訳ありません…!」
「分かっているなら態度で示せ!早く侵入者を捕まえてこい!命にかえても私を守れ!!」
「「「はっ!」」」
軍人三人はその場で敬礼し、いそいで部屋をでていった。
「まったく、どいつもこいつも…。こんなことで明日の遠征が中止になったらどうするつもりだ。」
「「!!」」
王の言葉がはっきりと聞こえ、レッドとイミテは顔を見合わせた。
………遠征。
あの男の話は本当だった。
「側近が王から離れた今がチャンス。…行こう、レッド。」
「ああ。」
ガラララ!!
と勢いよくバルコニーのガラス戸を窓をあけ、2人同時に中に入った。
「な、お前ら…!」
レッドは素早く王に剣を突きつける。
「バ、バカな真似をするな!私が声を出せば、兵が、」
「騒いだら殺す!いいな!?」
レッドの言葉に王は冷や汗を書きながら、コクコクと頷く。
「!」
すると、王の視線がイミテをとらえた。
「イミテ、貴様か!コイツにここに侵入する経路を教えたのは…!仕返しに来たのか…!?」
「(本当に驚いてる顔…。あの男から情報は伝わってないのか…。)…アンタに聞きたいことがある。」
「聞きたいことだと…?」
「トキワの森。」
「!」
「もちろん知ってるでしょ?」
「知らん!そんなもの!」
王はしらをきろうとしたが、レッドとイミテが王の顔色が変わったことを見逃すはずがない。
レッドが王にじりっと近づいて言う。
「正直に答えないと…、」
「ま…待て!言うから止まれ!!私がトキワの森を焼き払うように指示をだしたんだ!」
「それは分かってる。何でそんなことをしたのかを聞きたいの。」
「…トキワの森の能力者を捕まえるためだ。故郷を焼きはらってしまえば、必ず復讐しにやってくるだろう?」
「(それだけのために森1つを焼きはらうなんてひどい…。)」
「そんなに能力者が欲しいのか?」
「違う!トキワの森の件については私が望んでやったことじゃない!上に命令されて仕方なくやったんだ…!」
「上…?」
「……これ以上言うと私の首が危うくなる。」
王はそう言ったきり黙りこんでうつむいた。
「それ、今の状況分かって言ってるの?」
イミテが弓を構えれば、王は顔を青ざめ「分かった!言うから早まるな!」と言ってあわて始めた。
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