04 動き出した歯車は
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「(疲れがたまってたのか…。それにしても、この軍服…。)」
グリーンはイミテが着ている軍服を見て、確信した。
ニビシティで噂になっていた軍人の死刑囚はイミテなのだと。
「(緑の能力者で女という噂がたっていたからまさかとは思ったが…)」
その死刑囚が脱獄して、その上脱獄を手伝ったのが黒髪の少年だと知った時から嫌な予感がして、念のため彼は森の中を探し回っていたのだ。
来て良かった、と改めて自分の判断を褒める。
もし自分が駆けつけなければ、彼女はそのまま牢屋に連れ戻されていただろう。
「(レッドは…いないか。)」
さすがに脱獄を手伝ったのがレッド、というのは考えすぎか…と、グリーンは苦笑する。
それにイミテとレッドが会っていれば……何かしら起こっているはずだ。
「(一旦、合流するか…)」
そう考え、グリーンはイミテを背負う。
その直後…
「グリーン!!」
と、自分を呼ぶ声がした。
何かと思えば、そこには今まさに探しに行こうとしたレッドの姿が。
「……レッド。」
グリーンは無意識のうちに、イミテを少し背に隠して見えないようにする。
「グリーン、あのさ…その子……」
しかしレッドは気づいていたみたいで、少し気まずそうにイミテを指差して言った。
「死刑囚で脱獄者なんだけど、悪い奴じゃなくて…、その子の脱獄を手伝ったのは俺で…、あー!どこから説明すればいいんだ!」
ブツブツと呟き混乱するレッドに、グリーンは眉をよせた。
「やっぱり脱獄を手伝ったのはお前か。」
「グリーン、その子さあ……、」
言葉をにごすレッドは、相変わらず気まずそうで。
グリーンはそんな彼の様子からなんとなく悟った。
「……レッド。思い出せないんだろう?イミテのこと。」
「!グリーンは知ってるのか!?その子のこと!?」
「…ああ。俺達に…1番近い存在だったからな。」
なんだか儚げに言うグリーン。
…今、彼の頭の中には、あの時の悲しい出来事が鮮明に蘇っている。
「それって、どういう意味…」
「とりあえず移動するぞ。ここじゃいつ追っ手が来てもおかしくない。」
「…ああ。」
聞きたい気持ちをグッとこらえ、レッドは静かに頷いた。
その後イエローと合流し、ニビシティとは反対の方向にある町を目指した。
その途中、彼らは幸運にも宿屋を見つける。
お世辞にも新しいとは言えない年期のはいった宿屋だったが、町の宿よりここのほうが情報が伝わるのが遅いかもしれない。
レッドとグリーンは顔を見合わせて頷き、レッドが先陣をきって宿屋の扉をあけた。
「すいませーん。」
呼びかけると奥のほうから「はーい!お待ちくださいな。」と声が聞こえた。
その間に建物の中を見回して確認したが、隅々まで掃除がいきとどいているためか外装のわりには綺麗に思える。
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