03 懐かしさに酔いしれる
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「イエロー、牢屋はまだか?」
「は、はい。もう…ちょっと…です。」
見張りにバレないようにと狭い軒下を這って移動していたため、イエローの息は少しあがっている。
対してレッドは余裕そうだ。
「休むか?」
「いえ!平気で…すっ!?」
レッドが急に止まったことに気づかず、イエローは彼に勢いよくぶつかった。
「きゅ、急に止まらないでください!」
ぶつけたらしく、イエローは涙目になりながら鼻をおさえる。
「…イエロー、やっぱり休んでてくれ。ここに隠れてろよ?」
「えっ…?」
レッドがバッと軒下から飛び出した。
「ちょっ…レッドさん!?」
イエローも慌てながら少し遅れて、恐る恐る顔をのぞかせる。
するとレッドと対峙する、軍服を着た1人の男がいた。
「タ、タケシさん!!」
イエローは思わず声をあげた。
「イエロー…。やはりお前だったのか。ここに侵入した目的は…まあ、聞かずとも分かる。」
淡々とした口調で話すタケシに怖じ気づきながらも、イエローは答える。
「もちろんタケシさんの想像通り、イミテさんを助けるためです!イミテさんはどこにいるんですか!?」
「………。」
タケシは無言のままレッドに向かって槍を投げた。
「っ!」
そんな不意打ちの攻撃を、レッドはサッと避ける。
「素人ではないようだな。」
「当たり前だ!」
レッドは勢いよく言い放ち、腰に刺していた剣をぬいた。
「タケシさん…!止めてください!こんなの…おかしいですよ!」
「別にこれが当たり前だ。俺は軍人で、侵入者を追い出すのが役目。」
タケシの言っていることはもっともだ。
軍人は敵を捕まえるため、また王を守るために存在するもの。
「…でも!タケシさんは軍の中で一番、イミテさんを気にかけてたじゃないですか!一番、親しかったじゃないですか!」
「俺が…?そんなわけあるか。…アイツはこの城に来てから誰にも心をひらいてないんだ。」
「たとえそうだとしても、タケシさんの気遣いは絶対に無駄じゃないし、イミテさんにも伝わってるはずです!きっと…感謝してます!」
「………。」
イエローは泣きそうになりながらも必死でうったえる。
「そんな人が、邪魔するなんて…おかしいです…!このままじゃ、イミテさんは…、」
イエローの言葉を聞きながらも、タケシは傍らにあった長い槍を手にした。
それは、タケシの武器だ。
「…ごたくはすんだか?」
「タケシさん…!」
「イエロー!さがってろ!きっと何言っても無駄だ!」
レッドも剣をかまえる。
……そして、どちらともなく攻撃をしかけた。
剣と槍が重なりあい、金属音が響く。
「剣と槍…どっちが強いと思う?」
タケシは余裕といった様子で、レッドに聞く。
「………。」
レッドは無言。
先ほどのイエローに対するタケシの反応を見て怒りを感じているのか、または、答える余裕がないのか…。
「一般的には剣だが…甘くみるなよ。この槍は特別だ。長さがあり、そして、すべてが鉄でできている!」
タケシの使用している槍は通常のタイプとは違い、柄の部分までが全て金属でできていて、しかも通常の倍ぐらいの長さなのだ。
もちろん、そのぶん重さも増すのだが、それを使いこなせるタケシはさすがといったところだろう。
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