03 懐かしさに酔いしれる
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「大ニュース!大ニュース!」
「う~ん……」
外から聞こえる騒がしい声でイエローは目を覚ました。
重い体を起こしベッドから出れば、全身鏡に映った自分の姿。
…目が腫れている。
イミテのことを考えていて、夜全く眠れなかったからだろう。
彼女が寝たのは外が明るくなってからに近い。
「(……今日、必ずイミテさんを助けてみせる!)」
ギュッと、胸の前で拳を握る。
昨日、場所を宿に移して話し合った結果、「今日はきっと軍の警備も厳重だから、助け出すなら明日の夜にしよう」というレッドの言葉に落ち着いたのだ。
ちなみに今日の昼は救出のための武器を買いに行く予定だ。
「準備しよう…」
そう呟き、イエローは着替え始める。
でも、着るのは今まで着ていた軍服ではなく、シフォン生地の薄黄色いふんわりとしたワンピースだ。
軍服だとあやしまれるからと、昨日レッドが買ってくれたものだった。
鏡に映るいつもと違う自分に少し戸惑いながらも、洗面もすませてしまおうと洗面所に向かった。
「(よし!)」
全ての身支度が終わって。
隣の部屋にいるレッドを呼びに行こうとドアを開けた瞬間。
「いっ…!?」
「え…?」
向こう側から声がした。
驚きながら見れば、おでこを押さえるレッドの姿が。
「レッドさん…?どうかしたんですか?」
「ノックしようとしたらドアが、」
「え…あ!もしかしてドアが当たって…!?すいません!!」
慌てるイエローを見て、レッドは困ったように笑った。
「はは、平気。それにしてもイエロー、起きてたのか。」
「はい。レッドさんも今起きたんですか?」
「いや…ちょっと外の様子を見に行ってたんだ。」
「外を…?そういえば騒がしいですよね。何かあったんですか?」
イエローの言葉にレッドの表情がピタっと固まる。
「レッドさん…?」
イエローはそんなレッドの様子に不安を感じた。
「原因はコレだ。」
そう言ってレッドは少し戸惑いながらも、あるものをイエローに手渡す。
「新聞…?」
彼女は手渡されたそれをパラっとめくった。
新聞一面に大きな見出しが書いてあって、
「えっ…!?」
彼女は目を疑う。
「これって…!」
「…俺も、王がこんなに早く決断をだすとは思ってもなかった。でもそこに書いてあるのは紛れもない事実だ。」
新聞には、大きな文字で『今日の正午より、死刑実行。』と書いてあった。
その内容は、裏切りものの軍人を、見せしめに民衆の前で公開処刑するというものだ。
「この軍人って…、イミテさんのことですよね?」
「………。」
イエローはレッドに聞くが返事がない。
彼は、眉間にシワをよせ、何かを考えているようだった。
「…レッドさん?」
「!あ、ああ……。たぶんな。女って書いてあるし…。」
この町で女の軍人はイミテしかいないから、その事実はもはや決定的。
…ひどいものだ。
今までさんざんイミテの力に頼りきっていたくせに、公開処刑というむごい方法で殺そうとするとは。
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