28 幼い日の約束は(前編)
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武器を買い揃えたあとは、それをブルーが決めた宿に一旦置いた。
ちなみに宿のランクは中の上程度。
ブルーはこの街で最も宿泊代の高い宿に泊まりたかったらしいが、この大人数でそれをするとさすがに目立つため妥協したらしい。
夕食は宿ででるが昼食はついていないため、腹ごしらえ兼観光をするために彼らは再び街に出た。
ブルーのオススメのお店があるらしく、昼食はそこでとることになり…
探す手間がはぶけて時間短縮になると思ったが、そこまで行く途中に、装飾品のお店や賭事のお店、舞踏場などがあり、ちょくちょく覗き見程度に立ち寄っていたため、すっかりお昼過ぎの時間帯になっていた。
まあ、ブルーはお昼時は混むから丁度良いと笑っていたが。
「お昼はここにしましょ。」
ようやくたどり着いた一軒のお店。
その外装を見て、彼ら(ブルーとシルバー以外)は驚きを隠せなかった。
ブルーのことだからとんでもなく高そうなお店に入ると思ったら、どことなく酒場のような雰囲気のただよう、気軽に入れるような至って普通のお店だったからだ。
「意外と庶民向けの店なんだな。」
「そうよ。無駄にお高いお店よりも、こういう方が落ち着くでしょ?それにここ、美味しさは文句なしなの!」
言いながら扉を開け、早々に中に入っていったブルー。
レッド達もその後に続く。
時間が時間だからだろうか、店内にはあまり客はいなかった。
「!すげぇ!チェス板とかダーツとかトランプとかあるじゃないッスか!」
ゴールドが店内にある道具を見て目を輝かせる。
「シルバー!勝負しようぜ!ブラックジャックな!」
「なぜ俺がお前ごときを相手にしなければいけないんだ。」
「はん!お前、俺に勝てる自信がねぇんだろう?」
「はいはい。じゃれ合うのは後にして、まず食事してからね。」
「「!?」」
何か言いたげなゴールドとシルバーをよそに、ブルーは「クリームシチューのパイの包み焼きと、グリーンサラダと…」と、どんどん注文していく。
「イミテとイエローは?飲み物どうする?」
「そんなにのど乾いてないからお水で。」
「あ、僕もお水で!」
「もー!今日は持ってるお金、ぱあっと使うって言ったでしょ?ケチケチしないの、もう!すいませーん!グレープフルーツジュース3つ!」
「「…。」」
「姉さん…それ、聞いた意味ないよ。」
「つーか俺達にも聞けよ!」
「勝手に頼んでいいわよ。」
「「「…。」」」
そんな極めて和やかな雰囲気で食事は進んだ。
昼食を食べ終えて早々ゴールドが放った一言は、
「おい、シルバー!勝負しろ!!」
…だった。
「食べたばかりでよく動く気になれるな。ああ…バカは自分の体調管理もできないのか。」
「くそシルバーが!俺に勝てる自信もなければ、体力もねえのか!」
「お前ら静かにしろ。」
「あら。面白そうじゃない。アタシが審判やってあげるわ。トランプでいい?」
ブルーが器用にトランプをきっていく。
「さっき言ってたブラックジャック、やるんですか?僕、やり方知らないので見たいです!」
イエローがウキウキした様子でブルーの隣に座り直す。
ゴールドはと言えば「ぜってぇ負けねえ!」と腕まくりまでしてやる気満々で。
対照的にシルバーは今にも逃げ出したそうな表情をしていたが、ブルーが乗り気なため逃げるに逃げられない状況だった。
勝手な行動を取り始める彼らに、グリーンがはあ…とため息をもらす。
一段落するまで、せめて静かな場所で待つか、と、店内の隅の方へと移動しようとしたとき…
トントン、と軽く肩を叩かれた。
振り返ればレッドがさわやかな笑みをうかべ、外を指さしている。
「…。」
外に出ろということだろうか。
しかしそうする意図が全く分からずグリーンが怪訝な表情をうかべるが、レッドはただ笑みを返すばかり。
次いでレッドはイミテにも同じ事をして、一足先に外に出ていった。
イミテもワケが分からないと言った表情をしたが、まあ深くは考えなかったのだろう、レッドに続いて外にでる。
「ずりいぞシルバー!さっきからお前勝ちっぱなしじゃねえか!なにかきたねえことやってんじゃねえのか!?」
「さっきから負け惜しみばかりだな。」
「~っ!てめえ!!」
「…。」
レッドのやりたいことはよく分からないが、このうるさい環境にいるよりかはマシだろう、と
グリーンも静かに外へと向かった。
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