27 従うべき道とは
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「え、でも…ブルー達には何の関係もない戦いだぞ?もう自由になったんだし。」
「関係なくなんかないわ。あたしとシルバーも能力者だもの。この戦いが上手くいくかどうかで、今後生きやすくなるかが決まるんだから。」
ブルーは自らの媒介の仏具に手を当てて続ける。
「最初からそのつもりだったの。情報収集だけやるとか言ってたけど、それだけで終わるつもりなんてなかった。」
「ブルー先輩…」
「心配しないで。危なくなったら逃げるから。あたしもシルバーも、引き際を見極めるのは得意なの。」
「よろしく頼むよ。」
いたずらに笑った彼女に、レッドもつられて笑った。
「じゃあ明日は武器をそろえるがてら、持ってるお金ぜーんぶ使って遊びましょう!」
「は?」
「一番良いホテルに泊まって、一番良い食事を食べて、素敵な服を買って、…あ!アタシは新しい香水が欲しいわ。」
「何を言い出すのかと思えば…」
「いいじゃない。“最期”になるかもしれないんだから、使える物は使っておくべきでしょ?」
「ちょ…ブルー先輩!演技でもないッスよ、それ。」
「あら。アタシはそのぐらいの覚悟で臨むわよ。」
「!ブルー…」
「さっきは危なくなったら逃げると言っておきながら…」
グリーンは呆れたようにため息をつきながらも、嬉しそうに表情をゆるめた。
「まっ、そんなわけだから明日は1日オフね!観光の街に行きましょう。あたし良いとこ知ってるのよ。」
「ブルー先輩!俺、肉料理食べたいッス!」
「はいはい了解。聞くだけ聞いといてあげる。」
「Σ考慮してくださいよ!」
「ごめんなさい。アタシ、レディーファースト推奨なのよ。」
「…あー…、さすがブルー先輩ッス。」
つまり、自分の希望が最優先らしい。
「というかゴールド。アンタ、ひどいクマよ?」
「え…マジっすか。」
「まあ、寝てないから仕方ないんでしょうけど。」
「?なんでブルー知って…あ、盗聴器か。お前、寝てないのか?」
「まー…イエロー先輩と話してたんで。つーか、状況的に、普通に寝れないッスよ。」
ゴールドはガシガシと頭をかく。
「そこまで無神経ではなかったんだな。」
「グリーン先輩どういう意味ッスか」
「くよくよしててもやっちゃったもんはしょうがないでしょ。おとなしくあの子(イミテ)の答えを待つべきね。」
「…。つーか、グリーン先輩達は寝たんスか?」
「いや、俺もイミテも寝てない。」
グリーンが言う。
「そのわりには元気ね。ま、アンタとイミテは平気だとして…、このままだとイエローが今日1日目こすってそうだわ。」
「俺が背負っていこうか?」
「え。レッド先輩も寝てないんじゃないんスか?」
「俺は…ちょっと寝たかな。」
「寝たというか気絶だろ。」
「はは。」
「全く…結局全員寝不足なのね。いいわ。アタシ達、ここまで馬車できたから、目的地に着くまで寝てなさい。」
ブルーは呆れたようにため息をついて言う。
「あっ。そういや、イミテ先輩がさっきチラッと言ってたんスけど、レッド先輩、記憶が戻ったって本当ッスか?」
本当はすぐにでも確認したかったのだが、ルビーとサファイアの一件があり聞くタイミングがなかったのだ。
「ああ。まあ…な。」
「そういえばアンタ、イミテのことだけ忘れてたのよね。…こう言っちゃ悪いけど、別に旅する上では記憶喪失でも大した問題はなかったでしょ?」
「うーん…」
レッドは少し考えてから、ははっと軽く笑った。
「そうでもないな。忘れてたものの中に、大切なものがあったから。」
忘れたくない想いが、そこにあった。
「……。」
グリーンは少し目を伏せて、レッドの言葉を聞いていた。
このとき何を思っていたのかは彼しか知らない。
他人から差し出されたそれが、正解とは限らない
最後に答えを出すのは結局、
自分自身なんだから
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