24 君が生きた証
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「私は、サカキが人を探しているように思える。もちろん、闇の能力をもったね。」
「だったらどうして闇の能力者だけ集めないんですか?そんな規模を大きくしてしまったら、時間がかかるのに…。」
イエローの問いに、イミテが答えた。
「闇の能力者に何かあると悟らせないためのカモフラージュ。国民にそれがばれるとその人が危険にさらされる恐れがあるから。…そうですよね?」
「ああ。君の言うとおりだよ。しかし、これはあくまで私の推測だ。」
「ええ、分かっています。でもこれほどの情報が知れて、光栄です。」
「さて…では私からも質問してもいいかな?」
カツラの視線が4人をとらえなおす
「なんだ?」
「サカキのことを知って…君達は何をしようとしているんだい?」
間髪いれずに、カツラは続けた。
「ニビシティの軍人にさせられたことを恨んで、その元凶をつくりあげたサカキに復讐しようとしているのかい?緑の能力者のイミテくん。」
「!」
イミテ、
「それとも、光の能力者のイエローくんの故郷であるトキワの森を全焼させられた恨みをはらそうとしているのかな?」
「え…」
イエロー、
「または、炎の能力者のレッドくん、大地の能力者のグリーンくん。君たちがマサラタウンを追い出されたことを根に持っている…とか。」
そして、レッドとグリーン。
カツラは名乗ってもいない彼らの名前を呼び、そしてその能力と彼らに起こった大まかな出来事を言い当ててみせた。
「どうして俺達のことを知っている?」
「言っただろう、ワタルと知り合いだと。ワタルが接触した能力者の名前は聞いていたが…顔までは分かっていなかった。しかし、君たちが彼に会ったことがあると聞いてピンときたよ。」
「…。」
「そのときにワタルが知った君たちの名前と、私が集めた能力者の情報…この2つを媒介となりそうな武器を参考に照らし合わせれば簡単に分かるさ。」
たしかに、ワタルと港で会ったとき、無意識のうちにお互いの名前を呼んでしまっていた。
油断していた、とグリーンは舌打ちをする。
「…復讐しようとかそんなことは考えていません。」
レッドはそんな事態にひるむことなく、カツラを見つめ返して言う。
「俺達は、この世界を変えるために動いているんです。皆に能力者に対する意識を改めてもらうために。」
自信にあふれた、笑みとともに。
「そうか。…その日が来ることを、私も望んでいいかな?」
「!もちろん!」
2人が笑いあった丁度そのとき、会話を遮るようにプルルル…と電話がなった。
「ちょっと失礼…。」
カツラが電話をとるため、部屋から出て行った。
パタンと扉がしまったところで、イミテが口を開く。
「どう思う?」
「敵って感じはしないけどなあ。ワタルと知り合いってとこが引っかかるけど。」
「知り合い、か…。ただ協力し合ってるだけなのか、手下なのか。」
「俺達に仮面の男を法的に裁けるようなつてはないし、敵じゃないならどっちにしても頼るしかないけどな。」
「そうですね。…ブルーさん達のためにも。」
「仮面の男を引き取りにくるやつが、どんなヤツかで今後が決まるな。一応戦闘の準備をしておけ。」
カツラが敵で、政府の軍人が来たら戦いになるのだから。
数分後、電話を終えたカツラが部屋に戻ってきた。
「待たせてしまったね。引き取り役がグレンタウンに着いたみたいだ。ただ、ワタル自身は身動きがとれない状況にあって、仲介人が来たらしい。」
「そいつは信用できるのか?」
「心配ない。私も何度も会っている、誠実な男だよ。」
「行こう。」と言って先を歩くカツラ。
レッド達もコクリと頷き、そのあとをついて行くことにした。
さあ、待っているのは誰か。
「久しぶりだね。よろしく頼むよ。」
「こちらこそ、またお会いできて光栄です。カツラさん。」
カツラと、先ほど話していた仲介役らしき男が握手を交わす。
黒髪の…少々薄汚れてはいるが高価そうな衣服を身にまとった好青年(とはいっても見た目からレッド達より少々年上のようだが)だ。
「彼らが仮面の男を捕まえた…能力者達だ。」
次いでカツラがレッド達を紹介した。
「そうか。君たち、ありがとう。こちらとしても仮面の男には困っていたんだ。」
能力者と紹介されたにもかかわらず、彼は嫌な顔一つせず、笑顔を見せて言った。
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