24 君が生きた証
夢小説お名前変換こちらから
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「まず君たち能力者に会ってもこうして普通でいる理由は、単刀直入に言って、私が能力者の研究をしていてこういった事態に慣れているからだ。」
「(能力者の研究…?だから科学者?)」
ぴくりと反応したイミテに、カツラはフッと笑って続ける。
「研究内容は主に、能力者が発揮する能力のメカニズム…生体内で何が起こっているのかについて。私は能力が発動するまでの間に、なにか科学的な反応が起きていると考えているんだ。まあ、まだ謎は解明されていないが…ね。」
「…。」
「そしてそれを調べていくうちに、必然的にこの国の能力者に対する体制についても知ることになった。この国を支配している者、一番上の位にたつ者、…裏で国の行く末を操っている者などだ。」
裏で操っている者。
その言葉にレッドとイミテは顔を見合わせた。
「どこまで知っているんですか?」
「まあ…君たちよりかははるかに知っている自信はある。」
「…例えば、サカキという名に心当たりは?」
「もちろんあるさ。彼が…何をしようとしているのかも知っている。」
「「「「!」」」」
カツラが敵か味方かは分からない。
でも、ついに、有力な情報を持っている人物にたどり着いたことは確かだ。
「教えてください!俺達、サカキの情報をつかむために…この国で何が起きているかを知るために旅を続けてきたんです!」
「いいとも。とりあえず仮面の男の処分についてはまかせてくれないか?君達にとって悪いことにはしない。それは約束する。」
「先ほど公平な判断をしてくれる人が知り合いにいると言いましたよね?」
「ああ。」
「その方の名を聞いても?」
イミテの言葉に、カツラはヒゲをいじり何やら考えこむ。
「表向きにはあまり活動していないから、名を言っても分からないと思うんだが…」
「かまいません。」
「…ふむ。彼の名はワタル、だ。」
「え…!」
「ワタルって、たしか…、」
「港で会った人…ですよね…!?」
彼らの反応を見たカツラは興味深そうに言う。
「これは驚いた。彼と面識があるのか。…ここで立ち話もなんだ、私の家に案内しよう。君達の話しを聞かせてくれ。」
「…そうやすやすと俺らがついて行くとでも?アンタが敵じゃないって保障はどこにもないんスよ?」
「まあ…そうだが、あいにく私は敵ではないと証明するすべをもっていないんだ。だから、」
年長の威厳か、否か、
彼は堂々とした口調で言った。
「私が少しでもあやしい動きをしたなら、その場で殺してくれて構わない。これだけの人数の能力者がいればそれぐらい容易いだろう。」
「な…!?」
まさかの彼の発言に、ゴールドは思わず声を出してしまうほど驚いていた。
「…行こう。」
「イミテ先輩!?」
「彼の言うとおり、これが罠だとしてもどうにでも対処できる。」
「だな。みすみす目の前のチャンスを逃したくねーし!」
どうやらレッドとイミテの中では早い段階で答えがでていたようだ。
「グリーンとブルーが戻ってきたら、出発しよう。」
「おう。あ、カツラさんの家かその近くに仮面の男達(コイツら)の身柄をおさえておける場所とかってありますか?」
「倉庫でよければすぐ近くにあるが。」
「お借りしてもいいですか?カツラさんが言っている人達が来るまで時間かかりますよね?」
「そうだな。船で近くにいるから半日もかからないと思うんだが、それまではそこに拘束しよう。」
「お願いします。…よし、ゴールド。一緒にコイツらを連れてくぞ。縄のそっち側持ってくれるか?」
「!了解ッス。」
ゴールドはレッドに言われたとおり縄を手にした。
「私はグリーン達の様子みてくる。もう近くまで来ててもいい頃だと思うから。」
「入れ違いになるんじゃないか?」
「ブルーの持ってた仏具に鈴がついてたでしょ?あれの音頼りにして探すから大丈夫。」
「ああ…なるほどな。頼んだぞ。」
「うん。」
「「「…。」」」
イエローもゴールドもシルバーも、レッドとイミテ(彼ら)の判断力と行動力に呆気にとられるばかりであった。
.