23 私が観ていた世界
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「イツキ、あんたはふざけすぎだ!声をかけずにふいうちを狙えばよかっただろ!?」
「そ~だね。でもそれじゃあおもしろくないしさ、アイツが火の能力者って分かったんだし~、結果オーライだよ、カリン。」
「(まったく気配に気づかなかった…!何なんだ、コイツら…!)」
彼らの会話を聞いて、レッドはたらりと冷や汗を流す。
「まったく…、まあアタイらが勝てば言い話しだけどね!やるよ、イツキ!」
「ハイハイ。」
カリンと呼ばれた女は長い爪を装備して、イツキと呼ばれた男は懐から吹き矢のようなものを取り出した。
「(カリンとイツキ…)…お前らが仮面の男なのか?」
「違うよん。僕達はあの人の弟子みたいなもんさァ。それで、あの人から命令されたんだよね~。」
二ヤッと、イツキはさぞ楽しげな笑みをうかべて言う。
「最近あの人の周りをかぎ回っているヤツがいるから、…消してこいって!」
まるでその言葉を合図にしたように、カリンがバッと爪をつけた手を大きく振りかざしてレッドに襲いかかった。
「下がってろイエロー!」
レッドがとっさに剣で対応する。
爪と剣がぶつかり合って、カキンという高音が響いた。
「レッドさん…!」
「よそ見してる暇はないよ!」
イエローに向けて、イツキが矢を放った。
「!!」
イエローはバッとそれをよける。
「ヒュウ!動きは素早いみたいだね!でも見る限り武器をもってないし、キミは戦闘要員じゃあないんでしょ~?」
「…!」
バレている。
イエローは思わず顔を歪めた。
「あははは!あったりー!逃げてられるのも時間の問題だよ~!」
ピュ、ピュ、ピュ…と、放たれる矢の数が増える。
でもイエローはそれも難なくよけた。
「確かに僕は戦いは苦手です!だけど…、アナタなんかには負けない!アナタの攻撃よりも、もっとスピードも命中率もすごい人の指導を受けてきたんですから!!」
イエローが言っているのはイミテのことだろう。
確かに攻撃方法こそ違うものの、イツキの吹き矢はイミテの矢に比べて正確さと威力に欠ける。
「へぇ~!大した自信だね。だけど僕らもだてに仮面の男(あの人)のところで修行してたわけじゃないんだよ!!」
そう言ってイツキがまた吹き矢を放つ。
「(やっぱりこの程度なら余裕で避けきれる!レッドさんの戦いが終わるまで、この男の人は僕がひきつけて…)…いっ!?」
突然、左足のふくらはぎに痛みがはしった。
「(そんな、たしかに避けたハズなのに…!)」
イツキを見れば、ニタリと笑みをうかべている。
何をしたんだろう…この人は…。
「イエロー!?」
その状況に気づいたレッドがそっちに目をやったとき…、
「!」
視界の端に天高く伸びる蔓が映った。
あれは間違いなくイミテの合図だ。
「(イミテ達のほうだったのか…!)」
「ふん。アタイと戦ってるのに、別のことを気にしようなんていい度胸だね!」
「くっ…!お前の相手をしてる暇はないんだ!」
カリンの押す力が強くなったが、レッドも負けじと押し返す。
剣で爪をはじいてできた隙を利用してイエローの元へとかけよった。
「イエロー、大丈夫か!?」
「はい…!ちょっとかすっただけなんで。それより、何か変なんです…!さっきも確かによけたハズなのに、なにか…、」
「…?とりあえずイエロー、あれ。」
「!あ…!」
レッドが指差した方向にイエローが目を向けた。
「合図…、イミテさんですか!」
「さっさと片づけて、加勢に行くぞ!」
それを聞いていたカリンが余裕の笑みをうかべた。
「ずいぶんと大口を叩くじゃないか。そんな簡単にアタイ達を倒せると思ってんのか。」
「ああ!思ってるさ!」
ブンッとレッドが剣をふる。
ゴオオ…と凄まじい勢いの炎が2人に向かってとんでいった。
カリンは爪、イツキは吹き矢。
炎をふせぐ術はない。
レッドの言うとおり早々に勝負がつくと思われたが…、
「な…!?」
炎が消えたとき、そこには平然と立っている2人の姿があった。
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