23 私が観ていた世界
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「シルバーは特に先走って行動しないこと。ゴールド、もしものときがあったら止めてね。」
「!了解ッス!まかせてください!おい、お前!団体行動乱すなよ!」
「…はあ。」
「∑なんだよ!そのかわいそうなもの見るような目は!!」
「自覚はあるようだな。」
「ああ!?やんのか、てめえ…!」
張り合う2人を見てイミテはくすりと苦笑いすると、そういえば…、と話し始めた。
「ゴールド、チームわけのとき何も文句言わなかったよね。グリーンに何か聞いてた?」
「え…、いやあ!コイツと一緒なのは気にくわなかったッスけど、イミテ先輩と同じチームだったから妥協しただけッスよ!」
昨晩、イミテ達の会話を盗み聞きしていた、なんて言えるハズもなく、ゴールドはとっさに笑顔をつくってかわす。
「…ふーん。」
ゴールドのその作り笑いを見破ったのか、ウソに気づいたのかは確かではないが、イミテは口元に笑みを浮かべる。
「(盗み聞きしてたことバレてた?いや、まさかな…)」
彼女のつかめない態度にゴールドは内心冷や冷やしていて、話を変えることにした。
「仮面の男を見つけたら合図だすって言ってたけど、もう決めてあるんスか?」
「うん。それぞれの能力を使った合図で、レッドだったら大きな火柱をあげる、グリーンだったらほかの場所から見えるぐらいの高さまで地面を盛り上げるって感じ。だから、合図があったら見逃さないようにね。」
「…お前は?」
話しを聞いていたシルバーがつぶやくようにイミテに聞いた。
「私は緑の能力だから、もちろんそれにちなんだ合図。例えば…、」
イミテは立ち止まると、背中にかついでいた矢立から矢を一本手にとり、地面に向けて放った。
すると、地面に突き刺さった矢から真上に向かって勢いよく蔓が伸びる。
この島のどこにいても見えるだろう…という高さまで伸びたところで蔓は止まった。
「まあ…こんな感じ。」
「イミテ先輩、今出したこれって…、」
ゴールドが言いかけた直後、もやあ…と一瞬にして霧がこくなった。
イミテは2人の一歩前に出て、弓を再び構え直す。
「できれば見つけたくなかったんだけど…、さっそくお出ましみたいね。」
霧をまとうようにして現れたのは、…仮面をかぶった男だった。
一方、一番仮面の男がいる可能性が高いと予想されていた東に向かった、レッドとイエロー。
進むにつれて霧が深くなっているような気がして、イエローは少しおびえながらレッドの後ろを歩いていた。
「大丈夫か?イエロー。」
そんな彼女を心配して、レッドが声をかける。
「は、はい…!」
「…声裏がえってるぞ。」
「そんなことないですよ!」
「それより早く進みましょう!」と足を早めるイエロー。
レッドは彼女の頭にポンッと手を置いて、落ちついた口調で言った。
「無理しなくていいんだぜ?俺らの進んでるルートが一番危険なわけだし、怖くて当然だもんな。」
「…。レッドさんは怖くないんですか?こんなに不気味な場所なのに。」
「俺?俺はまあ…平気かな。イエローが一緒だし、ちゃんと守らなきゃって気持ちが何より大きいから。」
「そんな…!僕も少しは戦えます!僕のことは気にしないでください…!」
「だから無理すんなって。ただし、俺が怪我したときは回復、まかせたからな!」
「…っ!はい!!」
レッドの言葉にイエローは嬉しそうに笑った。
たいした戦力にはならないかもしれないけれど、自分は自分のできることに全力をつくそう。
そう、彼女は強く決意する。
「へ~!キミが光の能力者なんだ。でも残念。回復する暇なんてないと思ったほうがいいよ~!」
「「!?」」
突然聞こえた第三者の声に、レッドもイエローもバッと反応する。
「…!そこか!」
レッドが草陰に向けて炎を放つと、バッと2つの人影が飛び出した。
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